虚馬ダイアリー

「窓の外」のブログ

2008-01-01から1年間の記事一覧

「つぐない」

原題:Atonement 監督:ジョー・ライト 脚本:クリストファー・ハンプトン 製作総指揮・原作:イアン・マキューアン タイプライターがタイトルを打ち出す。 「Atonement」。 やがてタイプライターの音が、音楽と共鳴しあいながら、響いてくる。カメラはやが…

「大いなる陰謀」

原題:Lions for Lambs 監督:ロバート・レッドフォード 脚本:マシュー・マイケル・カーナハン 2つの会話劇、1つの戦場を通してロバート・レッドフォードが織りなすメッセージ映画。 この映画は論戦を張ることを目的としたものではなく、この映画を通して…

「モンゴル」

原題:Mongol 監督・脚本:セルゲイ・ボドロフ 見終わった後、ふむう、と思う。考え込んでしまった。 まずひとつ、画は大変きれい。終始美しいモンゴルの大地を深い陰影をたたえながら映し出していてお見事。 で、 この映画の目論見は後のチンギス・ハーンこ…

「フィクサー」

原題:Michael Clayton 監督・脚本:トニー・ギルロイ おれはなぜここにいる。 ふと。振り返ると、俺の歩いてきた道は正しい道だったのか。そして今ある俺の、現実にずぶずぶと身を沈めている。いとことの共同経営の店の借金を抱え、家族を養い、そしてやっ…

「うた魂♪」

監督:田中誠 脚本:栗原裕光/田中誠 夏帆主演の合唱コメディ。 北海道の女子高生萩野かすみは、自分の歌のうまさと自分の可愛さに酔いながら歌う、ナルシストな合唱部員。合唱部は全国大会出場経験もある名門で、彼女はそこでパートリーダーを務めている。 …

「クローバーフィールド/HAKAISHA」

原題:Cloverfield 監督:マット・リーブス 脚本:ドリュー・ゴダード 実はかなり評価に迷った。正直言えば、「もっと面白いのではないか」と期待していた。その意味では期待を十分に応えてくれたとは言い難い。一定レベルでは面白かったし、良くできている…

★のみ。

・「ワンピース エピソード オブ チョッパー プラス 冬に咲く、奇跡の桜」★★★ ・「ビー・ムービー(日本語吹替版)」★★★★ ・「パンダコパンダ」「〜雨ふりサーカス」★★★ 「ワンピース」は前作から連なる「原作本編」が原作の映画化なのだが、「もしもチョッパ…

「カンフーくん」

監督:小田一生 脚本:大地丙太郎 アクション監督:谷垣健治 ナチュラルボーンファイターの精神を持つカンフーの天才児・カンフーくん(チャン・チュワン)は、三十六房の試練の最後に師匠の気に飛ばされて、日本にいるはずの「本当の敵」を探しにやってきた…

「ダージリン急行」

原題:The Darjeeling Limited 監督:ウェス・アンダーソン 脚本:ウェス・アンダーソン、ロマン・コッポラ、ジェイソン・シュワルツマン ウェス・アンダーソン最新作。 ファミリーというコミュニティを描いてきた監督が、「父親死後」の家族がインド旅行を…

「バンテージ・ポイント」

原題:Vantage Point 監督:ピート・トラビス 脚本:バリー・レビ 複数の視点から、衆人環視の中で行われた大統領暗殺事件を描く「羅生門」というよりは「24」を意識した感の強いB級アクション映画。 えーと。個人的には、「うん、普通」という感想のまま見…

「魔法にかけられて」

原題:Enchanted 監督:ケビン・リマ 脚本:ビル・ケリー 「魔法にかけられて」という邦題のあとには、続きがある。と思う。 ディズニーのお姫様が、もしも現代のニューヨークに来たならば・・・というシチュエーション・コメディ。 ディズニー・スタジオが…

「ノーカントリー」

原題:No Country for Old Men 監督:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン 原作:コーマック・マッカーシー 一人の男がひょんなことから、殺人現場に遭遇。金を手に入れたはいいが、最悪の殺し屋に追われることになる。さらにその殺し屋を老保安官が追う…

「アメリカを売った男」

原題:Breach 監督:ビリー・レイ 脚本:アダム・メイザー/ウィリアム・ロッコ/ビリー・レイ 20年以上に渡り、組織を裏切り続けた実在のFBI捜査官ロバート・ハンセンが逮捕されるまでの2カ月間を、彼の部下として送り込まれながら彼のしっぽを掴もうとするエ…

「超劇場版ケロロ軍曹3/ケロロ対ケロロ天空大決戦であります!」

監督:山口晋 脚本:横谷昌宏 原作:吉崎観音 総監督:佐藤順一 意外な伏兵。 サンライズ制作だけに作画面ではあれほど充実を見せながら、第一作で私の期待を大きく損ね、第2作も悪くはないにしても、決して私が期待した水準までは届いてなかった*1感の強い…

「ドラえもん/のび太と緑の巨人伝」

監督:渡辺歩 脚本:大野木寛 原作:藤子・F・不二雄 ドラえもんとは。ご存じ未来から来た猫型ロボットである。 という点を踏まえて、今回の映画について考える。 さて。自分は以前、新シリーズ第1作「のびたの恐竜2006」の感想で、「ここからドラえもんの…

「ジャンパー」

原題:Jumper 監督:ダグ・リーマン 脚本:デビッド・S・ゴイヤー/サイモン・キンバーグ/ジム・ウールズ 原作:スティーブン・グールド もしも、いじめられっ子にテレポートが身についたら。 ということで、SF(すこしふしぎ)チックに能力を手に入れた少…

「明日への遺言」

監督:小泉堯史 脚本:小泉堯史/ロジャー・パルパース 東京裁判の話、という話と言うだけで、てっきり「東京裁判の不正を糾弾する」などとといういわゆる「インテリが好きそうな政治的問題作系」なのか、と身構えていた分、思いの外まっとうな「映画」だった…

「ガチ☆ボーイ」

監督:小泉徳宏 脚本:西田征史 原作:蓬莱竜太 プロレスをやりたい、と思ったことはないが、見るのは好きである。学生時代まではそうでもなかったんだけど、社会人になってからしばらくして、プロレス観戦が趣味の同僚と、よく見に行った。女子プロやマイナ…

「ライラの冒険/黄金の羅針盤」

原題:The Golden Compass 監督・脚本:クリス・ワイツ 原作:フィリップ・プルマン 第1章なのでこんなもんかな、という感じ。 うん。気軽に誉めるならば「絵がきれい」というのがまず一点。監督の若さがいい意味でも悪い意味でも出ている作品だと思うんだ…

「マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋」

原題:Mr. Magorium's Wonder Emporium 監督・脚本:ザック・ヘルム やたら評価の高い「主人公は僕だった」の脚本で、一躍その名を知られたザック・ヘルムの監督デビュー作品。 うーん。どうもこの人の作品とは相性が悪いな。 おそらくね、初監督作品という…

「奈緒子」

監督:古厩智之 脚本:古厩智之/長尾洋平/林民夫 原作:坂田信弘/中原裕 あーこれ昔、原作がビッグコミックスピリッツに載ってたころ読んだことあるなー。とおぼろげな記憶で鑑賞に臨む。 自分の場合、原作を読んだことがあって映画を見れば、おのずと「ああ…

「潜水服は蝶の夢を見る」

原題:Le Scaphandre et le Papillon 監督:ジュリアン・シュナーベル 脚本:ロナルド・ハーウッド 原作:ジャン=ドミニク・ボビー 開幕。どこかのベッドに寝かされている。意識はある。目も見える。目の前には人もいる。目の前にいる人間は・・・医者。中…

「君のためなら千回でも」

原題:The Kite Runner 監督:マーク・フォースター 脚本:デビッド・ベニオフ 僕はあの日、君を見捨てて逃げた。君が僕らの元を去るとき、さよならが言えなかった。でも今なら言える・・・。 1970年代。アミールとその召使いの子ハッサンは、何をするにも一…

「チーム・バチスタの栄光」

監督:中村義洋 脚本:斉藤ひろし、蒔田光治 原作:海堂尊 ミステリというジャンルは、多くのものを網羅する。「人が死んでなぞがあればミステリ」というおおざっぱな意見もあるが、「人が死なないミステリ」だって存在する。要は、ミステリは人の業を題材に…

「ラスト、コーション」

原題:色,戒 監督:アン・リー 脚本:ジェームズ・シェイマス、ワン・フィリン 「あなたと逢ったその日から恋の奴隷になりました。」 「恋」の話である。 1942年、彼女はある男の家にいた。そこの夫人が開く麻雀の卓を、よく一緒に囲んでいたのだ。夫人の信…

「L change the WorLd」

監督:中田秀夫 脚本:小林弘利/藤井清美 映画版「デスノート」のスピンアウト企画。 まず誉めておこう。悪役の一味に、佐藤めぐみを配した人。エラすぎ。彼女の一挙手一投足が面白すぎる。シリアスな場面ですら爆笑を誘う彼女の演技は、かなりすごかった。…

「母べえ」

監督:山田洋次 脚本:山田洋次、平松恵美子 原作:野上照代 野上照代の自伝的小説を山田洋次が映画化する。舞台は太平洋戦争に突入する時代の、母と子の物語。題材としてはありがちだよねー、などと、高を括って・・・いたつもりはなかったんだけど・・・こ…

「アメリカン・ギャングスター」

原題:American Gangster 監督:リドリー・スコット 脚本:スティーブン・ザイリアン 良くできた脚本の良い映画。見る前に俺が期待していたものとはまったく違ったけど(笑)。もっと泥臭い映画かと思ってた。 実在したマフィアのボスと、一介の刑事という、…

「歓喜の歌」

監督:松岡錠司 脚本:真辺克彦、松岡錠司 原作:立川志の輔 島流しの吹きだまり。その市の市民会館は、そういう場所だった。 年も押し迫った12月30日。半年前に受けた予約の確認を受けた飯塚主任(小林薫)は、あることにきづく。大晦日に開催されるママさ…

「銀色のシーズン」

監督:羽住英一郎 脚本:坂東賢治 なんかこう。かつては世界に名を馳せたけど今はしがない何でも屋を3人組でやってて、で名前が「銀」っておまえな。しかも村の鼻つまみものとくらあ、みたいな。なんかね。 ジャンプの某漫画の主人公に設定似すぎ・・・なん…