虚馬ダイアリー

「窓の外」のブログ

2021年に見て「良かったな」と思った映画から10本を選んでみる。

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 みなさま、どうも。ご無沙汰をしております。
 なんとか生きております。

 去年に引き続き色々大変な年にでしたが、映画方面では上映延期になってた映画が続々と公開され、面白い映画が目白押しの嬉しい悲鳴をあげる事態でした。
 そんな中から10本を選ぶ。いそいそと映画館に通い続けてきたツケを払う季節がやってきました。


 というわけで、自分が出会った映画の中から、「良かったな」という映画を10本選ばせてもらいました。「あれがない」「これもない」という方もいらっしゃるでしょうが、ご容赦いただいて、しばしおつきあいくださいませ。

10位「マリグナント 凶暴な悪夢」


<選考理由>実は悩みました。傑作かと言われるとそういうタイプの映画ではないし、簡単には「好き」とは言わせない禍々しさがあります。ただ。この唯一無二の「体験」は忘れがたく、そして見た誰かと共有したくなる。今年を代表する「事件」。是非一度見て欲しい。

9位「ファーザー」


<選考理由>今年のアカデミー賞授賞式を見ていた日本の映画ファンをざわつかせたアンソニー・ホプキンスの主演男優賞受賞。しかし、見た誰もがその演技に最敬礼を惜しまない。まさに圧巻の演技。そして下手なホラーよりも怖いアルツハイマーの父親から見た「世界」を描き切る演出脚本。二つの意味で「恐ろしすぎる」映画でした。

8位「アメリカン・ユートピア


<選考理由>虚飾を削ぎ落としたシンプルな舞台を、人と音楽と光で観客に新たな世界を見せる恐るべきコンサートフィルム。デイヴィッド・バーンの魔法に心躍る、至福の107分。映画の、音楽の、そして人間の可能性は無限だと思わせる希望に満ちた作品。映画館で見れて良かった。


7位「パーム・スプリングス」


<選考理由>タイムループものは幾つもある。だがここまで「何もかもをやり切った」作品はそうそうない。ヤレる事はすべてヤる!その先に主人公とヒロインが見つけたもの。まさにやり切る事の尊さを余す事なく描いた傑作です。

6位「すばらしき世界」


<選考理由>社会から盛大にドロップアウトした元殺人犯の男の人生の再生を、丁寧な取材をもとに、時に大胆に、ユーモアと悲哀も交えて描き出す西川美和監督の傑作。役所広司の硬軟自在の演技が、男の人生に陰影や深みをもたらしていく凄さに、ただ脱帽。

5位「いとみち」


<選考理由>青森の片田舎に住む、津軽弁ネイティブヒロインは、この映画で、何か大きなことを成し遂げる訳ではない。ただ。彼女が、外へ、自分の殻の外側へ一歩を踏み出す。その過程を丁寧に描き出したこの映画は、今年一番「愛おしさ」が止まらない作品でありました。

4位「悪なき殺人」


<選考理由>東京国際映画祭で初めて見て、椅子から転げ落ちるような衝撃を受けてから2年。観客賞も受賞したこの傑作が邦題を「悪なき殺人」と変えて満を持して日本劇場公開されて久々に見たけれど、やっぱり新鮮に面白すぎた。人間ってこんなに滑稽で哀しく、面白くて愛おしい。是非見て欲しい。

3位「レイジング・ファイア」


<選考理由>年末も押し迫った時期に日本にやってきた、香港から放たれた今年最後の核弾頭。みんな大好きカンフー兄貴ドニーさんことドニー・イェンと、今最もセクシーな闇堕ち俳優ニコラス・ツェーが、むぎ出しの思いの丈をアクションでぶつけ合うラスト15分の衝撃を劇場で味わえ!これは義務だ!

2位「少年の君」

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  • チョウ・ドンユイ(周冬雨)
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<選考理由>
漆黒よりも昏い闇の中、出会う十代のふたり。光を求め合うように惹かれ合う二人が、残酷な運命の中で行う「ある決断」に心持ってかれて、見終えた後も涙が止まらなかった。どこまでも終わりなき人生のトンネルの中で、それでも光を求めてもがいていくふたりの、その姿に心打ち抜かれてしまった。

1位「フリー・ガイ」


<選考理由>
 自分には1年に1度、見終えた瞬間「今年1番はこれだ!」と確信する瞬間が訪れる事がある。今年、この映画を鑑賞後すぐ、ベスト1にすると決めた。
 すべての要素がことごとくツボにはまった上に、結末へと至る「タネ」は実は目の前にどんと置かれたまま、クライマックスにきちんと落とすその「クロースアップマジック」のような鮮やかなシナリオ運びがとにかく好きで好きでたまらない。惚れました。
 

2020年に見て「良かったな」と思った映画から10本を選んでみる。

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 みなさま、どうも。ご無沙汰をしております。

 今年は大変な年になってしまいました。映画館に「通えない」日々がこれほどつらいのか。それを実感させられました。
 つらい状況の中でも映画館はまた僕らのもとへ帰ってきてくれました。そのうれしさのあまり、熱心に通いすぎてしまい、またたくさんの映画に出会いすぎてしまいました。好きな映画をあげればきりがありません。
 ブログ更新こそ、すっかりご無沙汰になっていますが。それでも映画を見ることはやめていません。それを伝えたくて、このエントリを書いてます。

 というわけで、自分が出会った映画の中から、「良かったな」という映画を10本選ばせてもらいました。「あれがない」「これもない」という方もいらっしゃるでしょうが、ご容赦いただいて、しばしおつきあいくださいませ。

10位「オフィシャル・シークレット」


<選考理由>見終わった後にしばらく考え込んでしまった。「戦争ができる国」とはどういうものかを。もしもそれをまがりなりにもとめようとした女性についての実話であるが、しかし戦争は起こり、英国はそこに関わることになる。もしもそれが「間違ってる」と知りながら、それでも突き進んでしまう。間違ってるなら間違ってると、せめて言い続けねばならないな、とそう思わされた映画でした。

9位「はりぼて」


<選考理由>我々の生活と直結する市議会というもの。我々はそもそも追いかけていたろうか。地元テレビ局が富山市議会で起こった不正受給問題を丹念に追った映画だが、ここに見せつけられるのはその「いい加減さ」である。富山だけが特別ひどいだけ、とはどうしても思えない。そしていい加減さは実は市レベルではなくて、実は都道府県、いやさ国レベルにまで引き上げられている。そんな気がして慄然とした映画である。

8位「羅小黒戦記」


<選考理由>好きなものは好き!というまっすぐな気持ちで突き進みながら自家薬籠中のものとしている点で気持ちよく見てしまった。これが天才の仕事か!というものを久々に見た。こういう才能の出現に立ち会えるのは、素直にうれしいものである。

7位「君の誕生日」


<選考理由>歴史的事故、セウォル号事故を題材にしながら、あえて淡々としたトーンで理不尽な喪失と向き合わざるを得ない家族のドラマを描き出す。それが結果として、国境を問わない、普遍的な「死」と「生」についての物語として立ち上がってくるところ。丁寧な取材と登場人物の感情を丹念にすくい取った演出脚本にくわえ、それを体現する名優2人の演技も素晴らしかった。

6位「ドロステのはてで僕ら」


<選考理由>70分という短さながら、ワンアイデアで物語を広げていって、そして回収して着地してみせた驚くべき映画。しかも「絵」としての面白さも「物語」としての面白さも兼ね備えつつ、誰も見たことのない映画になっている。もうこういう映画、チョー好き。

5位「おらおらでひとりいぐも」


<選考理由>ひとりで暮らす75歳の老婆が「寂しさ」たちと向かい合いながら日常を生きる映画なのだけれど、彼女の中にある「豊かさ」が次から次へ湧き出てくる。そのチャーミングさと悲哀、それでもひとり生きることへの「しなやかな覚悟」が横溢する。それを沖田修一監督が見事具現化してみせた。鮮やか!

4位「無垢なる証人」


<選考理由>自閉症という題材をミステリとして扱う事の難しさを越えて、逆にミステリの中心に据えた、その脚本がとにかく鮮やか。自閉症の少女を演じたキム・ヒョンギの演技も素晴らしく、裁判のために彼女の世界に飛び込む弁護士役に、純愛映画からノワールの悪役もこなすチョン・ウソンを配役したのも効いている。

3位「コリーニ事件」

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  • エリアス・ムバレク
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<選考理由>ひとつの殺人事件が浮かび上がらせる、ドイツが抱えてきた「負の歴史」、それと向かい合うことの難しさ。「被害者」の視点を、法を作る側が失った時、悲劇はさらなる悲劇を呼んでいくことを描いたミステリ。それは決して我々日本人も他人事じゃあないんだ。見終わったあとそれをずっと考えていた。

2位「ぐらんぶる


<選考理由>このご時世である。そんな中にあって、劇場で本当に、なにも考えず、ただただ笑っていた。原作を知らなかった事も功を奏したかもしれないが、とにかく劇場にいる間笑い続けていた。それがどんなにありがたい事か。いやーくだらない。最高に大好き。

1位「エクストリーム・ジョブ」


<選考理由>今年最初に見た映画で最高の映画にぶちあたった出会いもさることながら、映画館がしばらく閉館するという未曾有の時代にあって、この映画は僕の心を本当に救ってくれた。何回も何回も繰り返し見て、笑った。映画館が閉まっている時に期間限定で有料配信された時は本当にうれしかった。
 本当に恩人のような映画である。存在自体に感謝する映画である。


 ありがとう。映画。

男の魂に火をつけろ!の漫画実写化邦画ベストテンに参加します

参加します。

washburn1975.hatenablog.com

漫画実写化邦画ベストテン

1位「ぐらんぶる」(2020年 監督:英勉
2位「ちはやふる上の句」(2016年 監督;小泉徳宏
3位「テルマエ・ロマエ」(2012年 監督:武内英樹
4位「逆境ナイン」(2005年 監督:羽住英一郎
5位「ヒメアノ〜ル」(2016年 監督:吉田恵輔
6位「ペコロスの母に会いに行く」(2013年 監督:森崎東
7位「隣人13号」(2005年 監督:井上靖雄
8位「アルキメデスの大戦」(2019年 監督:山崎貴
9位「刑務所の中」(2002年 監督:崔洋一
10位「真夜中の弥次さん喜多さん」(2005年 監督:宮藤官九郎

9位「刑務所の中

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  • 発売日: 2003/08/22
  • メディア: DVD

8位「アルキメデスの大戦」

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  • 発売日: 2020/01/22
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7位「隣人13号

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  • 発売日: 2005/11/25
  • メディア: DVD

5位「ヒメアノ〜ル

ヒメアノ~ル 通常版 [Blu-ray]

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  • 発売日: 2016/11/02
  • メディア: Blu-ray

4位「逆境ナイン

逆境ナイン かけがえのない通常版 [DVD]

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  • 発売日: 2006/01/25
  • メディア: DVD

3位「テルマエ・ロマエ

テルマエ・ロマエ 通常盤 [DVD]

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  • 発売日: 2012/11/23
  • メディア: DVD

2位「ちはやふる 上の句」

ちはやふる-上の句-

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  • 発売日: 2016/08/21
  • メディア: Prime Video

1位「ぐらんぶる

ぐらんぶる [DVD]

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  • 発売日: 2020/12/16
  • メディア: DVD

2019年に見て「良かったな」と思った映画から10本を選んでみる。

 

 みなさま、どうも。ご無沙汰をしております。気がつけば年を越しましたでございます。
 去年ブログ更新はまったくせず、Twitterでは映画感想をガンガンかいてたりします。鑑賞量は過去最多を更新している有様。
 しかもこのブログ記事を書いているのがこの日付の翌年(2020年)の年末という体たらく。

 というわけで、自分が出会った映画の中から、「良かったな」という映画を10本選ばせてもらいました。「あれがない」「これもない」という方もいらっしゃるでしょうが、ご容赦いただいて、しばしおつきあいくださいませ。

10位「ブラインド・スポッティング」

 多くの人種が混在する街で育った二人の若者。二人は人種を越えて友情を育んできた。しかし、それでも互いの抱える「事情」や「思い」はそう簡単にはわからない。差別、格差、コンプレックス、コミュニティ。見えているものの裏に隠されたもの。向かい合う事で乗り越える。その大事さを描いている。



9位「シティーハンター 史上最香のミッション」

 見終わって度肝抜かれるとはこの事。日本で生まれた漫画/アニメ作品が、これほどの愛情と誠意とセンスによって、フランスで「まさにこれぞ!」という実写映画として生まれ変わるとは。それだけでまさに僥倖。その偉業に敬意を。





8位「スパイダーマン:スパイダーバース」

 アニメーションとしてのクオリティもさることながら、世代、国境、人種、性別、次元すら越えて、あらゆるスパイダーマンが集う物語というこの物語が素晴らしい。おれも、あなたも、スパイダーマンになれる。その可能性を無限に押し広げる、愛に満ちたメッセージに素直に感動した。



7位「国家が破産する日」

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  • 発売日: 2020/04/08
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 現実と向き合わない。国民を欺く。平気で嘘をつく。国家がそれを平気で行ったとき、国はどうなるのか。この映画はそんな韓国の「歴史的失敗」を描いた映画である。そして、それは決して我が国も他人事ではない。学ぶべきことが多い映画である。



6位「金子文子と朴烈」

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  • 発売日: 2019/09/27
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 かつて日本に、これほど魅力的な人物たちがいたことを日本映画ではなく、韓国映画に描かれてしまったこと。それ自体が敗北である。関東大震災で行われた事をも描き出しつつ、日本という国の本質を暴き出しもする。善悪に依らず「日本人からは見えなかった日本」が描かれた映画である。

5位「アラジン」

 正直ディズニーアニメの実写化には食傷気味で、実はまったく期待しておらず、大ヒット中にも後回しにしていたことを大変後悔した。ここまで心躍るミュージカル映画になっているとは。上映終了まで繰りかえし映画館に通ったほど心奪われた。何度見ても楽しい。楽しすぎる映画でした。

4位「ブレッドウィナー」

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  • 発売日: 2020/07/10
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 タリバン政権下の過酷な状況に置かれた社会を舞台にしながら、描かれるは「物語の力」を高らかに歌い上げる物語。我々には想像を絶す「現実」の中で、アニメーションによって紡がれるその物語がたどり着く結末に、ただ号泣したのでした。



3位「パラサイト 半地下の家族」

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  • 発売日: 2020/07/22
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 この映画を見たのは2019年の年の瀬も押し迫った12月下旬の先行公開の時であり、Twitterでベストテンを発表する時点で「これは素晴らしい」とベストにねじ込んだのであるが、これを書いている2020年末において見ると、この映画のポテンシャルはこちらの想像を越えていた。見た時の感動も忘れがたいものだったが、まさに韓国映画のポテンシャルを世界に、何より日本に改めて叩きつけたポン・ジュノの才能の凄さを改めて思い知ったのでした。

2位「工作 黒金星と呼ばれた男」

 北朝鮮で暗躍した、実在の韓国工作員をモデルにしたフィクションだが、その内幕は実に驚きに満ちたスリリングさでありながら、物語はやがて駆け引きを超えた2人の男の子絆の物語へと突き進む。大国の思惑によって2つに分断された歴史、そしてその分断の最前線で生きる男たちがたどり着く、その終着点。ただ泣いた。

1位「ガリーボーイ」

ガリーボーイ [Blu-ray]

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  • 発売日: 2020/02/19
  • メディア: Blu-ray
 言葉にする事。そして、古い価値観をアップデートすること。この映画で描かれるインドで未だ根強い因習にがんじがらめにされた若者たち。抜け出したいけど抜け出せない。それでも、それを越えていきたいなら「言葉」にしていかなければならない。
 父親の横暴、貧民街から抜け出せない現実、新しい事をしても認められない鬱屈。それらへの不満をすべて吐き出す。その術がラップだった。絞り出すように紡がれた言葉は、同じ境遇の若者たちはおろか、この映画を見ている老若男女を問わず、深く響くはずだ。そう信じる。

男の魂に火をつけろ!の映画テン年代ベストテンに参加します

参加します。
washburn1975.hatenablog.com

映画テン年代ベストテン

1位:「これは映画ではない
2位:「新感染/ファイナル・エクスプレス」
3位:「この世界の片隅に
4位:「花とアリス殺人事件」
5位:「サバイバルファミリー」
6位:「かぐや姫の物語
7位:「バーフバリ 王の帰還
8位:「悪女 AKUJO」
9位:「アベンジャーズ
10位:「ジャージー・ボーイズ

「ジャージーボーイズ」

 テン年代中ごろから、自分の中において「ミュージカルブーム」のようなものが起きたというか、ミュージカルの「楽しさ」に目覚めたようなところがあって、その先鞭をつけてくれたのが「ジャージー・ボーイズ」だと思う。「ボヘミアン・ラプソディ」の応援上映にあししげく通うようになったり、「グレイテスト・ショーマン」を繰り返し見てしまったり、とにかくミュージカル映画を何度も何度もいつくしむように見るようになったのは私の中で事件でした。
 「ジャージー・ボーイズ」はとにかく、「君の瞳に恋してる」からのロックの殿堂での再会、そしてフィナーレへとつなぐシーンで毎回号泣してます。

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アベンジャーズ

 アメコミ映画枠ということで「アベンジャーズ」。もちろん素晴らしい締めくくりを迎えた「エンドゲーム」もいいんだけど、やっぱりなんていうのかな、この「布石」というかこの「プロジェクト」の成功がなければ、MCUの成功もなかったこと、そしてとにかく自分の映画人生の中での、「事件」級のインパクトという点においては第1作になってしまう。「こんな映画が作れるんだ!作っていいんだ!」という衝撃!映画の「可能性」を大きく押し広げ、映画の「定義」まで揺るがした。その影響力はこの第1作の成功から始まった。それがすごいと思います。

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「悪女/AKUJO」

悪女/AKUJO [Blu-ray]

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 日本でもリメイクされた「殺人の告白」というとんでもない傑作でデビューしたチョン・ビョンギル監督が世界に放つ、壮絶暗黒エモアクション。とにかく開幕アクションで度肝を抜かれ、気おされたまま激情と悲哀の物語に突入する。彼女が「完成」したとき、最も悲しい戦いが幕を開ける。その壮絶さ。「とんでもないアクションに始まりとんでもないアクションに終わる」映画でありながら、胸に落ちるは爽快感とは程遠い切ない痛み。この後味を含めて、この映画に完全にノックアウトされたのでした。



「バーフバリ」

バーフバリ2 王の凱旋 [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: 株式会社ツイン
  • 発売日: 2018/02/21
  • メディア: Blu-ray

インドからやってきた映画の化け物。それが「バーフバリ」。それまでの映画の概念を大きく揺るがし、自分を含む映画ファンがこぞって熱狂した、存在自体が「事件」ともいえるとんでもない作品でした。とにかく映画館で見なければいけない映画という意味では他の追随を許さない、応援上映の盛り上がりも、今思い返しても異常というべきもので、見る「活力剤」ともいうべきものでした。映画ってこんなすごいんだ!と肌で感じさせられた映画でした。

 

かぐや姫の物語

かぐや姫の物語 [Blu-ray]

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 テン年代高畑勲という天才がこの世を去ったという意味で重要であり、そしてその製作姿勢に我々観客が、そして何よりも映画にかかわったすべての方々が戦慄したという意味で、この映画はまさに事件でした。齢70を越え、80が手に届く年齢でさえなお、アニメーション表現の新たな地平を切り開き、周りを困惑させ、製作期間を引き延ばし、湯水のごとく製作費をふくらませながら、いつ作業が終わるともしれない映画を作り続け、そして公開されたその映画はまさに圧巻。これが遺作になってしまうとはとても思えないエネルギーに満ちたものでした。その生に畏怖し、その死を悼みながら、わたしはついに作られなかった念願の企画「平家物語」に思いを馳せてしまうのです。
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「サバイバルファミリー」

サバイバルファミリー Blu-ray

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 毎年年間ベストテンを出している当ブログですが、テン年代、我が年間ベストには常連監督がいらっしゃいます。それこそ誰あろう矢口史靖監督であります。そういう存在が自分にいることもまた「事件」でありましょう。日本を代表する喜劇監督であり、コメディでなにを表現できるかをつねに突き詰める矢口監督の姿勢は首尾一貫しており、題材は千差万別、それがたとえ極限のシチュエーションであろうとも一切ブレがないことを証明した大傑作こそが本作であります。
 「サバイバルと銘打ってるのに死がない」と言う野暮な批判を目にした時は「この映画のなにを見とるんじゃ!」と激昂した私です。そんなの「戦場の兵士の戦闘を描かなきゃ戦争映画じゃない!」って言うくらい間抜けな話だ。例えリアルにシミュレートされた死と隣り合わせの世界であっても「人間性と笑い」を手放さない。そんな軽やかで強靭な矢口監督の意志を本作からは感じるのです。


花とアリス殺人事件」

花とアリス殺人事件 [Blu-ray]

花とアリス殺人事件 [Blu-ray]

 近年見たアニメ映画の中でいちばんの「事件」でした。岩井俊二監督が見せる実写映画さながらの繊細なカメラワークで演出されたロトスコープアニメーションは、岩井俊二の実写の制約すら越えたイマジネーションの具現化とアニメーションとしても未知のカメラワークが融合し、どこかで見たようで誰も見たことがない映画になってると思います。お話はあくまで「花とアリス」の前日譚。2人の少女の細やかな機微と様々な感情をすくいつつ、アニメ表現の可能性を押し広げる傑作だと思います。テン年代で一番見てる映画かもしれません。

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この世界の片隅に

この世界の片隅に [Blu-ray]

この世界の片隅に [Blu-ray]

 見終わった時の「泣くでもなく、感動したという言葉でもなく、ただただ静かに衝撃を受けた」という感覚。「重いパンチ」を喰らったように。しばらく心が酩酊して立ち上がれないような、そんな体験は初めてだった。ヒロイン・すずさんの生活と、確実に動いていく歴史(世界)との距離。遠く向こう側にありながら、確実にそこにある。僕らはそれをより深く知っていかねばならない。この映画だけでは終わらない、「片隅」から見える、その世界の広がり、そこに続く現在までの道。そんな広がりを感じさせる映画でした。


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「新感染/ファイナル・エクスプレス」

新感染 ファイナル・エクスプレス [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: 株式会社ツイン
  • 発売日: 2018/01/24
  • メディア: Blu-ray
 映画というものがこれほどの豊かさ、そして恐ろしさをを持っているものか。ヨン・サンホ監督の登場はまさにテン年代を象徴する出来事であるとすら思っています。「新感染」の圧倒的娯楽性と深い眼差しに裏打ちされた人間描写。人間というものの、善悪などという物差しを超えて、極限状態の中で「選び取るもの」を描いてしまうヨン・サンホ監督の苛烈さ、容赦なさ。それはまさに自分が「ここにいたならばどうしているか」という喉元にナイフを突きつけるが如き鋭さで、観客の心をスクリーンから目を逸らさせない。そんな映画です。

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これは映画ではない

これは映画ではない [DVD]

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 映画とはなにか。映画をなぜ撮るのか。イランの巨匠、ジャファール・パナヒ監督が突きつけた問いは、テン年代最大の衝撃でした。撮りたい話はある。撮りたい絵もある。しかし、映画を撮る自由だけがない。軟禁状態である、その中で映画を撮ろうとするジャファール・パナヒ監督の、そのiPhoneを前に悪戦苦闘する姿は、僕の心に深い爪痕を残す。傑作「オフサイド・ガールズ」を撮った後、政治的に「映画を撮る」事を禁じられていく。そんなイランの閉鎖的状況の中でも抗い続けるパナヒ監督は、今も様々な形で新作を作り続けている。「これは映画ではない」という。この映画が「存在」するということが、映画というジャンルは決して死なないという、力強い宣言にも思えてくるのである。

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