虚馬ダイアリー

「窓の外」のブログ

「ダージリン急行」

原題:The Darjeeling Limited
監督:ウェス・アンダーソン
脚本:ウェス・アンダーソンロマン・コッポラジェイソン・シュワルツマン



 ウェス・アンダーソン最新作。
 ファミリーというコミュニティを描いてきた監督が、「父親死後」の家族がインド旅行を経て迷走から脱却するまでを描いたロードムービー


 はいいんだが。いやあ、とにかく本編上映前に流されたスピンオフの短編「ホテル・シュヴァリエ」の印象が最悪で。


 多額の遺産を受け継いだ男が高級ホテル住まいで、やや倦怠期ぎみの恋人(ナタリー・ポートマン)とセックスして飯を食う、というだけの話を小洒落た演出で描く短編で。正直久々に映画で「死ね死ね死ね死ね」とキャラクターを呪ってしまい、しかもその後本編でそのキャラクターが、3兄弟のひとりとして登場して、やっぱりインド人の客室乗務員とセックスしたりしたりして、もう「ほんと死ね」と思ったりしたので、本来なら「ボンクラ3兄弟のインド珍道中」というホンニャラコメディを、心から楽しめなかったのでした。


 最初の短編を見ていなければ、もう少し鷹揚になれたろうになあ。その分を大目に見ての星3つで。(★★★)