虚馬ダイアリー

「窓の外」のブログ

感想

「百日紅」

原作:杉浦日向子 監督:原恵一 脚本:丸尾みほ百日紅 (上) (ちくま文庫)作者: 杉浦日向子出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1996/12/01メディア: 文庫購入: 11人 クリック: 49回この商品を含むブログ (124件) を見る 葛飾北斎の娘とその周辺の日々を人々を…

「私の少女」

原題:도희야/A Girl at My Door 監督・脚本:チョン・ジュリ ペ・ドゥナが好きだ。彼女は美しい。この映画を見に行くということは彼女を見に行くということだ。そしてこの映画でもその美しさは健在である。 だが、この映画が見せるのは、もう1人の主演・キ…

「龍三と七人の子分たち」

監督・脚本:北野武 北野武監督の新作は、ジャンルとしてはコメディである。 北野武名義でコメディというのはなにげに初なのではないか。北野武という映画作家は、お笑い芸人でありながら、長年映画という世界に置いて「お笑い」というものを、いわば持てあ…

「寄生獣 完結編」

監督:山崎貴 原作:岩明均 脚本:古沢良太/山崎貴 最近よく、中国古代歴史漫画を読み返している。人権という言葉がなかった時代の物語。政争がおこれば血は流れ、内紛が起これば、人は死に、戦争がおこれば万単位で人が死ぬし、権力者はつまらぬことですぐ…

「ソロモンの偽証」前編・事件/後篇・裁判

監督;成島出 原作:宮部みゆき 脚本:真辺克彦 ソロモンの偽証: 第I部 事件 上巻 (新潮文庫)作者: 宮部みゆき出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2014/08/28メディア: 文庫この商品を含むブログ (38件) を見る 宮部みゆきの10年にわたって書かれた渾身の大作ミ…

「花とアリス殺人事件」

監督・原作・脚本:岩井俊二 遅ればせながら見た。2回見た。 一言で言えば面白かった。 花とアリス [Blu-ray]出版社/メーカー: ポニーキャニオン発売日: 2012/09/05メディア: Blu-ray クリック: 1回この商品を含むブログ (9件) を見る 2004年に製作された岩…

「イミテーション・ゲーム」

原題:The Imitation Game 監督:モルテン・ティルドゥム 原作:アンドリュー・ホッジス 脚本:グレアム・ムーア 「謎」は人間の進化とともにある。知性と悪意と向上心。どれかひとつだけでは生まれない。どれが欠けても生まれない。 (松井優征「魔人探偵脳…

「映画 深夜食堂」

監督:松岡錠司 原作:安倍夜郎 脚本:真辺克彦/小嶋健作/松岡錠司 原作コミックもドラマ版も見ないで鑑賞だったんだけど。うーん。よかった。 深夜食堂 (1) (ビッグコミックススペシャル)作者: 安倍夜郎出版社/メーカー: 小学館発売日: 2007/12/26メディア:…

「幕が上がる」

監督:本広克行 脚本:喜安浩平 原作:平田オリザ 本広克行監督の新作である。 そして、主演はももいろクローバーZ。ポスターにはそう書いてある。 つまりこの映画は「アイドル」が主演ですよ、という明確な意思表示が為されている。 個人的にアイドルにずっ…

「アメリカン・スナイパー」

原題:American Sniper 監督:クリント・イーストウッド 脚本:ジェイソン・ホール 原作:クリス・カイル 久しぶりの更新、今年最初の更新です。明けましておめでとうございます。(遅い) 約2ヶ月近く更新をしないなんてことは、ここ数年なかったことである…

「フューリー」

原題:Fury 監督 デヴィッド・エアー 脚本 デヴィッド・エアー 「乗るなら早くしろ。でなければ、帰れ。」(「新世紀エヴァンゲリオン」) 第2次世界大戦末期、ドイツ。連合国はドイツを攻め落とす最終局面を迎えていた。フューリー号はなんとか戦場から生還…

「寄生獣」

原作:岩明均 監督:山崎貴 脚本;古沢良太/山崎貴 山崎貴監督の新作にして、岩明均の代表作「寄生獣」の実写映画化である。 なんか前評判は良くないし、原作ファンのブーイングも聞こえてきてどうなのか心配しながら見てみたが、一言で言えば悪くない。そん…

「西遊記 はじまりのはじまり」

原題:西遊 降魔篇 監督:チャウ・シンチー 共同監督:デレク・クォック 脚本:チャウ・シンチー/デレク・クォック/ローラ・フオ/ワン・ユン/ファン・チーチャン/ルー・ゼンユー/リー・シェン・チン/アイビー・コン 「少林サッカー」「カンフー・ハッスル」…

「滝を見にいく」

監督・脚本:沖田修一 「三万払って来てみれば周りおばちゃんばっかりじゃない!」 「南極料理人」「横道世之介」の沖田修一監督の新作である。 温泉付き紅葉狩りバスツアーで知り合ったおばちゃんたち7名がツアーガイドが頼りないせいで、結果なんでもない…

「紙の月」

監督:吉田大八 原作:角田光代 脚本:早船歌江子 前作「桐島、部活やめるってよ」で大きな話題をさらった吉田大八監督の新作である。原作は角田光代の同名小説である。 さて。 この「紙の月」は以前に一度映像化されている。 【関連】 イリーガル・ハイ!「…

「レッド・ファミリー」

原題:Red Family 監督:イ・ジュヒョン 原案:キム・ギドク 痛みというものは。当たり前であるが痛みを与えられた方にしかわからない。 日本という国に生きて、そして歴史を学ぶときに、僕らは「日本」という国を「ひとつに国」の歴史として捉えている。し…

「泣く男」

原題:우는 남자 監督・イ・ジョンボム 「もう これで 終わってもいい。だから ありったけを」(ゴン・フリークス「HUNTER×HUNTER」より) アメリカでいつも通り仕事を片付けたはずが、うっかり標的の男の娘を誤射して死なせてしまった天涯孤独の殺し屋・チ…

「誰よりも狙われた男」

原題:A Most Wanted Man 監督:アントン・コービン 原作:ジョン・ル・カレ 脚本:アンドリュー・ボーベル 「お前は本当の血の海を見たことがあるのか?バカが。」 この映画の主人公はギュンター・バッハマン(フィリップ・シーモア・ホフマン)という。学…

「ミリオンダラー・アーム」

原題 Million Dollar Arm 監督:クレイグ・ギレスピー 脚本:トーマス・マッカーシー 才能が金になる。世界はいつからかそんな理で動くようになった。世界のどこかには、きっと。俺たちの知らない「宝」が今日も生まれては消えていく。 大手エージェント会社…

「ジャージー・ボーイズ」

原題:Jersey Boys 監督:クリント・イーストウッド 脚本:ジョン・ローガン 記憶ってのは自分に都合のいいものだよ。終盤、トミー・デヴィートは観客につぶやく。 トニー賞受賞のブロードウェイミュージカルの映画化である本作は、かつてアメリカで一世を風…

「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」

原題:Guardians of the Galaxy 監督:ジェームズ・ガン 脚本:ジェームズ・ガン/ニコール・パールマン 週刊少年ジャンプの友情・努力・勝利という方程式。それは80年代のジャンプの代名詞であるのだが、その代名詞が微妙に変わってきたのは90年代のことでは…

「フライト・ゲーム」

原題:Non-Stop 監督:ジャウム・コレット=セラ 脚本:ジョン・W・リチャードソン/クリス・ローチ/ライアン・イングル 主演がリーアム・ニーソンである。この「ド安定」の男の中の男がゆらぎを持つ時、男はより陰影を深くする。 限定された舞台で起こる殺人…

「るろうに剣心/伝説の最期編」

監督:大友啓史 原作:和月伸宏 脚本:藤井清美/大友啓史 アクション監督:谷垣健治 【関連】 映画「るろうに剣心」感想 大河のほとりに立つ男「るろうに剣心」 - 虚馬ダイアリー 「京都大火編」感想 静止する世界から遠く離れて 「るろうに剣心/京都大火編…

「悪魔は誰だ」

原題:Montage 監督・脚本:チョン・グンソプ ある場所に、ある日、一輪、花が置かれていた。 それがすべての始まりである。 15年前に起こった少女誘拐殺人事件は、まもなく時効を迎えようとしていた。少女が死んだ現場に居合わせ、長年捜査に携わってきた担…

「舞妓はレディ」

監督・脚本:周防正行 周防正行監督最新作である。 さて。 関連エントリ 木戸銭払っても見たいテレビドラマ - 虚馬ダイアリー 朝ドラTwitter実況の三者三様 - 虚馬ダイアリー 最近私が、よく朝ドラというジャンルを見ているということは以前書いた。 朝のテ…

「さまよう刃」

原題:Roving Edge 監督:イ・ジョンホ 原作:東野圭吾 家族と過ごすとき、僕らは「今日は家族と会う最後の日だ」と思いながら家を出ることはない。たとえ関係が冷え切っていたとしてもだ。 父親はしがない繊維会社の管理職。娘は思春期盛りの中学生。重い病…

「テロ,ライブ」

原題 The Terror Live 監督・脚本:キム・ビョンウ なぜ。どうして。誰が。どうやって。 この映画はそんな情報を観客に与えない。いきなり事態は動き出す。 ラジオの生放送。時事の討論番組。キャスターはひとつのテーマを聴取者と語り合う。その日の最初の…

「リヴァイアサン」

監督:ルーシァン・キャスティーヌ=テイラー/ベレナ・パラベル これはなんだろう。 映画が始まってすぐ、観客はその疑問にぶち当たる。目の前で起こっていることはなんだろう。映画は一切の説明をしない。カメラのレンズの向こう側。夜の闇の向こうでなにか…

「イントゥ・ザ・ストーム」(4DX版)

原題 Into the Storm 監督スティーブン・クォーレ 脚本ジョン・スウェットナム なんかね。すごかった。 この日、私は始めて平和島の映画館に降り立っていた。 twitterのタイムラインから流れてきた本作についてのつぶやきに触発されてのことである。 4DXとい…

「ソニはご機嫌ななめ」

原題 Our Sunhi 監督・脚本:ホン・サンス めったに学校にやってこないで、周囲とも1年近く音信不通。「行方不明」と言われていた女子学生・ソニ(チョン・ユミ)がいきなり大学にやってきた。アメリカ留学の為に教授に推薦状を書いてもらいに来たのだという…