岡本喜八
1945年、北支戦線。そこに少年軍楽隊がやってくる。陽気に音楽鳴らし、リズムに乗りながら。彼らは慰問にこの大陸にやってきたが、前線に送られることになった少年たちだった。彼らはある日、一人の軍人と出会う。それが小杉大尉(三船敏郎)だった。彼は戦…
中里介山の同名大河小説を映画化した、大作時代劇。原作は、先達が3部作作ってなお未完、という超大作で、映画化の試みは喜八監督で4度目という。 そんな原作だったので当たり前だが、本当はもっと続くはずだったらしい。もしそれが続いていたら、「殺人狂時…
というわけで、残りの感想をば。
出所したヤクザの大親分と同部屋の爆弾作りが得意な天涯孤独な青年。だが、組はすっかり株式会社になり、縁もゆかりもない人間が社長に納まり、市会議員を目指して選挙の真っ最中。そして豪邸も取られ、愛人も組員もすべて親分を見放した。親分の奥さんは宗…
「私はヒットラーを見て感動した。あれほど魅力的な「きちがい」を見たことがない。あれこそが人間の姿だ。」 公開1週間前にオクラ入りが決定し、半年後公開されてもあっという間に打ち切られ、当時の批評家の評価も散々ながら、なぜか上映されるたびに人気…
1月31日をもって閉館する浅草東宝の最後のオールナイトに行ってきました。最後の夜は岡本喜八4本立て!
●岡本喜八BOX第2弾「岡本喜八 DVD-BOX MODERNS」発売決定(情報元:今月のDVDでーた) 「SOLDIERS」に続く、喜八BOX第2弾!喜八現代劇の未DVD化厳選5作品をボックス化!「殺人狂時代」「ああ、爆弾」「江分利満氏の優雅な生活」「ブルークリスマス」「大…
今日で新文芸座の喜八映画特集上映が終了してしまった。 大変楽しかったです。見られなかった作品がまだまだあるのが心残りなので、是非とも第2弾、やって欲しい。また行きます。あと東宝は、いい加減全作品をDVD化してくれ。ニュープリントで! 「殺人狂時…
「ニンキョー!!!」 時は昭和25年。北九州一帯は暴力団の抗争が頻発していた。特に、小倉では岡源組と橋伝組がしのぎを削り、日々抗争を繰り返す。これでは警察のGHQや世間からの信用があがったりだってんで、警察署長は民主的に、民衆のみなさまに納得…
「近頃なぜかチャールストン」以来5年ぶりの作品。(喜八監督の作品はここから約5年間隔で製作されていく) ところはアメリカ。南北戦争が終わって奴隷から解放されたジョーは、道中で出会った3人とともに、黒人の心の故郷、アフリカへ帰ろうということに…
倉本聰オリジナル脚本を、岡本喜八が監督した作品。喜八監督唯一のSF。 映画に限らず、フィクションという「嘘」がある種の予見性を持つのなら、それは真実を描いているからだ。「UFOを見た者は血が青くなる」という、この荒唐無稽な「ルール」のみがSF的要…
かつて、ビデオがすり切れるほど見た作品。これが私の岡本喜八原体験。 出所した健次は、彼が迎えに行った舎弟の正義と平太に、かねがねよりの犯罪計画をうち明けた。「誘拐」計画である。誘拐の二文字に不快感を示し、降りようとする二人を引き留めて、詳細…
「戦争が終わったんだって…?終わったんだってさ!ははは!」 これは叫びだ。 昭和43年に製作されたこの映画。その当時の平均寿命から昭和20年の平均寿命を引くと、21.6歳となる。主人公「あいつ」は同じ、21歳と6ヶ月だった(いや、それだと21.5じゃね…
8.15に何が起こったか。ポツダム宣言受諾から玉音放送に至る24時間における事件・事実の数々を、記録映画風に積み重ねることで、大日本帝国、断末魔の悲鳴を描いた喜八映画最大規模の大作。 「儀式は必要だ。なんせ、大日本帝国の葬式だからな。」という志村…
山口瞳氏の直木賞受賞作を映画化した作品。脚色は井出俊郎氏(「若い娘たち」脚色も担当)。 既に歴史的評価が確立した本作。 だがそれを抜きにしても、すごく面白い。改めて見ても古びないこの面白さはどうだ。小林桂樹のモノローグの語りの見事さ、平凡で…
岡本喜八監督デビュー作。 結婚のすべて、というタイトルが示すとおり、世の中にゃあ色んな価値観の結婚がある、それをすべてお見せします、っていう感じの、乱れ始めた世相を皮肉ったコメディ。若く活発で情熱的な恋愛結婚に憧れる妹(雪村いずみ)と、お見…
岡本喜八監督の第2作目。 とある地方都市。そこに唯一の大学がある。女手ひとつで5人の娘を育てている金沢家では、2階の一間に学生を下宿させているが、5人の娘のうち3人がそういった学生と恋仲となり、結婚している。そういう結婚を母が望んでいると知…
三船敏郎、鶴田浩二主演。 二大ヤクザ軍団が火花を散らし、警察は無力化している、暴力と混沌が支配する荒神市。そこに現れるは三船敏郎演じる男。彼は東京から横領をした門で左遷されてきた刑事だった。警察で鼻つまみ扱いされながら、2つのヤクザについて…
鶴田浩二と宝田明主演のヤクザ映画。 ヤクザとして生きてきた、ふたりの兄弟がヤクザの掟に反発を抱き、窮地に追い込まれていく話。 金融会社の社長が殺害され、その事件を近くの食堂の娘が目撃した。それからしばらくして。堅気になりたい弟はジャズ喫茶で…