結婚のすべて(1958年製作) ★★★
岡本喜八監督デビュー作。
結婚のすべて、というタイトルが示すとおり、世の中にゃあ色んな価値観の結婚がある、それをすべてお見せします、っていう感じの、乱れ始めた世相を皮肉ったコメディ。若く活発で情熱的な恋愛結婚に憧れる妹(雪村いずみ)と、お見合いで大学教授(上原謙)と結婚した姉(新珠三千代)が、様々な結婚のあり方に出会う。
太陽族が全盛期のころで、そういった世の中に対して意識的な映画なのだそうで、そう言われてみればなるほどという感じ。
私的には、貞淑だけど今の家庭のあり方に不満を募らせて俗界を覗いて回る人妻、新珠三千代の色気にくらくらしそうになる。エロい。「あたくしにも呼び鈴がありますのよ。鳴らす気になればいつでも鳴りますのよ。いつだって。」とかいう台詞なんか、ものすごくたまらん感じがある。