虚馬ダイアリー

「窓の外」のブログ

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」

toshi202012-12-03

監督:摩砂雪/前田真宏/鶴巻和哉
総監督・原作・脚本:庵野秀明


ぼくたちの失敗 森田童子/ベスト・コレクション

ぼくたちの失敗 森田童子/ベスト・コレクション



 えー、見ました。特に言うことはないです。作画とかSFXがすごかったです。続きに期待します。おわり。(★★)





 ・・・というわけにもいかないのでいくつか。特にネタバレはないはずです。


 いつだったか、押井守が某ラジオで庵野は今は、絶対(興行的に)失敗しない自主映画を作ってる」みたいなこと言ってたことがあって、「ああ、そのまんまだな。」と思った。

 さて、新たなる「再生」。再生され続ける「マトリックス」にゆがみが生じ始めた「エヴァンゲリオン」はどこへいくのだろうか。終わることなく再生され続け、消費され、記憶され続けたその物語。出来うるならば、その旅が、繰り返されることない「終着駅」へとたどり着くことを祈ってやまない。
 そしてそれこそが、庵野秀明のはじまりになるに違いないと、見ていて思い始めた。「破」から始まる(であろう)物語の更なる逸脱に期待する。
ビューティフル・リピーター - 虚馬ダイアリー

 とは以前「序」の感想で書いたけど、こんな「逸脱」じゃ方向性が大して旧版と変わらないじゃんか。前回が取り舵だったから、今回は面舵・・・とみせかけてやっぱり取り舵!!みたいな感じである。


 序盤が庵野監督の趣味性が爆発している分、「シト新生」ほどのがっかりイリュージョンではないのだけれど、映像が過剰になればなるほど俺の心は不思議とどんどん冷めていってるんですよね。
 物語だけ抜き取って「庵野が再び冷や水ぶっかけた」という見方もあるようだけど、俺はそういうの「新劇場版」にはまったく期待してなかったし、そういうことするなら、はじめから作らなきゃよろしい。作らねばならんのは、スポンサーの手前もあるんだろうけど。パチンコとか日テレとかパチンコとか。


 まー、アスカが叫んで暴れたり、シンジくんがウジウジしたり、レイが「私は誰?」みたいな感じでたたずんでいたり、カヲルくんがホモホモしかったり、というのは、エヴァらしいっちゃエヴァらしいんで、ぼんやり見ている分にはいいんだけど、ふと気づいたらシナリオが普通に下手くそだと思った。これって「急展開」というより「超展開」でしょ?それで観客に対して、きちんと物語の「つかみ」が取れないんだったら、それは単なる自己満足じゃんか。読解するしない以前に、俺には「話が面白くなかった」んである。目の前の大スクリーンで展開される話に1ミリも心が動かない。
 言ってみりゃあ、なんか同人漫画家かpixiv絵師が思いついて描いてみたパロディif漫画みたいな話だな、と思った。金と手間だけ壮大にかかった、メタなパロディにしか見えないのよね。なにより日常部分がすべて破壊されて、全編非日常なのもメリハリがなくていけない。そういう日常部分があってこそ、非日常な急展開にフックがかかるんであって、全編非日常だともはやタチの悪い悪夢とで全編押し通したみたいなもんじゃんか。だから、「○○インパクト」の大安売りみたいになったあげく、からからと物語が上滑りしていくわけなんであってね。
 うんまあ、続きは見ようとは思ってますが。はい。



 あと体が少年(少女)のままで心が・・・という設定は大好物なんですが、全然演技にその設定が生かされなかったのも残念です。どっちかっつーと、映画公開に向けて読んでいた貞本エヴァの続きの方が気になります。



 あと、下のエントリの出来映えが大変素晴らしく、見終わった後読んで息が出来ないほど大爆笑だったんで、とりあえず見てない方は、映画見てからこのエントリで笑えばいいと思います。終わり。


(ネタバレ注意)シンジ「なにがQだよ!!」-ゴールデンタイムズ
http://blog.livedoor.jp/goldennews/archives/51753503.html