虚馬ダイアリー

「窓の外」のブログ

「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールドエンド」

toshi202007-11-16

原題:Pirates of the Caribbean: At World's End
監督:ゴア・バービンスキー
脚本:テッド・エリオット、テリー・ロッシオ



 文芸座で滑り込み。危うく見逃すところだった。



 いやあ・・・長いねえ。びっくりするくらい長い。でもこれ、1時間半でどうにか出来たんじゃない?というのが率直なところなんだけど、脚本家たちはすべてのキャラクターの運命までひっくるめて描ききろうとする。うーえー。余計なことを。



 正直なところ無意味に物語がジェットコースターで、ちょっと見逃すと話が見えなくなる。そういう意味では、中身スカスカだけどギミックやギャグでひたすらごまかした前作の方が頭悪くて好みだなあ。詰め込みすぎ、という言葉があるけど、この映画はまさに雑然とエピソードをぶちこんで、どろどろに解かした闇鍋みたいな感じで、どうにもこうにもなあ。唐突に物語を展開させるので、見ているこちら側の対応力、整理力の範疇を軽く超えるんである。
 エリザベス・スワンの元婚約者とか、かなり細かい脇役にいたるまでそれぞれの目的でかなりちょこまかちょこまか動いているので、全体像を把握するのはかなり難しい。把握しきれてないところはウィキペディアで確認して、ああ、そういうことなのか!と思い直すこともしばしばあったんで、まるっきりの無内容どころか、この映画は、大河ドラマ並の群像劇を超圧縮しているとも言えるんだけど、そのドラマが面白いかっつーと、うーん、どうなんでしょうかねえ。もともとそこまで期待してねーっつーの!というのが本音かな。もっと単純でええのにな。


 ただね。この映画が嫌いかっつーとそうでもないかな。ビックパジェットの映画らしい絵づくりはかなり楽しいし、なんだかかんだとサクサクと人が死ぬ展開は、このシリーズらしいかな、と思う。ウィルとエリザベスの運命も、「なるほど、こういう風にしたかったのね」と納得したし、クライマックスの渦に巻き込まれながらの海戦はなんだかんだと燃えた。ただ、いい加減な描写で押し切る場面が多く、ツメが甘かったりするところも散見されるんだけど、その善し悪しも含めての力の入り方は嫌いじゃないので★3つ。(★★★)