虚馬ダイアリー

「窓の外」のブログ

「ローン・レンジャー」

toshi202013-09-04

原題:The Lone Ranger
監督 ゴア・ヴァービンスキー
脚本 ジャスティン・ヘイス/テッド・エリオット/テリー・ロッシオ/エリック・アーロンソン


 映画を見る、見ないというのは、まったくもってわからない。巡り合わせというのはある。


 僕の場合、「見たい映画」を予定表の中からピックアップし、そこからさらに「絶対に見る」箱と「とりあえず見たい」という箱に分類する。「絶対に見る」を「既決」の箱、「とりあえず見たい」は「未決」の箱である。保留。


 しかし、まあ、未決の箱に入れた映画というのは基本的に言えば、要は体調、時間、たまたまスケジュールが空く空かないのタイミングによって選ばれることはあっても、確実に後回しにされ、その結果気づいたら映画の公開が終わっていた、なんてことがある。その中にお宝が眠っているかもわからない。だが、仕事が終わると体力が「ガス切れ」になる私は、映画に割ける時間も限られているわけで、泣く泣く腐らせることも少なくない。
 僕も映画を劇場に足を運ぶようになって十数年になるので、経験の蓄積はそこそこある。選定に関して言えばそこそこハズレがない。お宝に巡り会うことも多いし、大ハズレもしなくなった。しかし、である。
 それでも、みすみすお宝映画を目の前で逃すことだって多々ある。そういう作品と「出会える」のは巡り合わせというのはある。


 さて。本作である。僕はこの映画を長く「未決」の棚に放り込んだまま放置していた。
 今年は話題作が目白押しであったこともあるが、それにしてもジョニー・デップをフィーチャーした「予告編」を見ても、キモサベという呼称を流行らせようとする「宣伝」を見てもアンテナにぴんとこない。しかも「パイレーツ・オブ・カリビアン」よ再び!という気持ちが透けて見える「ゴア・ヴァーヴィンスキー×ジョニー・デップ」という組み合わせに食傷を感じていたこともある。奇人メイクで演技するジョニデにも正直新鮮味を感じない。加えて公開前の前評判がいまひとつよろしくないこともあり、他の話題作に目移りした挙げ句、ながらく放置してきた。
 しかし、テルミンわちこさん(https://twitter.com/Theremin32)という方が熱心に影になり日向になり、本作を猛プッシュをしているのをTwitterのタイムラインで見て、初めてみる気になったわけである。


 で、ようやく今月に入ってから、見に行ったわけです。どうせね、あれでしょ?また、「パイカリ」の二番煎じの出し殻映画だったりするんでしょ?はっはっは・・・。


 見た。


 大変申し訳ありませんでした!(土下座)


 超面白いじゃんか!


 見終わった後、しまったー!と思った。俺はこんな大きなお宝をみすみす見逃しかけていたのか!うわー。


 まあ、四の五の言わず、「めくら」な私と同じような感じで、この映画を侮っている人がいたら、とりあえず見た方がいい。見た方がいい。映画はとりあえず見ないと始まらないことを改めて痛感した。
 傑作・秀作ぞろいの今年の夏洋画の中でも明らかにトップクラスの面白さじゃないですか!なんでこんなに話題になってないのか!おかしい。これはおかしい。
 物語はまさに過去のヒーローを現代映画として「再生させる」物語。特にラスト15分を越えるクライマックスの列車上の大アクションシーンはまさに映画史に残ると言っても過言じゃないね。そこまでです。そこまで。最初は頭でっかちの間抜け男だった主人公がヒーローとして覚醒した後の「ローン・レンジャー」を演じるアーミー・ハマーも超かっけー。素晴らしかった。


 いや、一部の映画クラスタが支持しているのは知っていたが、ここまで面白かったのか。
 まだ上映は続いてますが、そろそろぽつぽつ終わるところも出てくるかもしれないので、とりあえず見てない人は急いで映画館で見た方がいい。おすすめです。大好き。(★★★★★)

 

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