虚馬ダイアリー

「窓の外」のブログ

「パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト」

toshi202006-08-02

監督:ゴア・ヴァービンスキー


 冒頭に登場するのはエリザベス(キーラ・ナイトレイ)。雨の中、胸のあたりがぱっくり開いた花嫁姿で花婿のウィル(オーランド・ブルーム)を待つ。しかし、彼はやってこない、彼は衛兵に捕らえられていた。無実の罪で。



 おれは泣いたね。彼女の姿に。なんていじましい。キーラたんが一生懸命よせてあげて胸をあるように見せている努力が<そこかよ。


 無実の逮捕を演出した男は東インド会社ベケット卿。彼はウィルに、エリザベスを人質にあの男を探して、連れてこいと命じる。あの「船長」を。


 というわけで、キャプテン・ジャック・スパロウジョニー・デップ) is back!の続編。本当にちゃんとした続編でびっくりした。前作の中身なんて忘れてるよ、俺!「期待してなかった割には面白かった」とかそんな記憶しかねえもん。しかも三部作だってー!スターウォーズやりたかったのかあああああ!つーか、そんな話だったのかああああ!
 ・・・俺、この作品にあんまり期待してなかったせいもあって、全然事前情報もいれずに見ていたせいか、なんか、逆に色々オドロキのある映画ではあった。そういう意味で、まさにビックリ箱である。



 楽しめないひとには楽しめないかも知れない。下品なギャグは多いし、キャラは主要キャラ以外、キモかったりグロかったりなのばっかりだし、まあ、あれだ。長大なわりに物語の中身がスカスカでその分、ドタバタやらギミックやらを出来うる限りにぶち込んで観客を飽きさせないように飽きさせないように、もっていく。
 しかもそれで、2時間半やるのである。ついていけない人には拷問だろうが。


 でも。俺は割と楽しめたなあ。ところどころゲラゲラ笑ったりして。特に背中に物干し竿みたいな棒をくくりつけられたジャック船長が必死に逃げる一連のアクションはくだらなさすぎて、かなり好き。あと、あの水車を使ったあのアクションとか。俺は、ああいうバスター・キートン的なアクションに俺は弱い。主人公以下のキャラクターも基本的に自分の目的や欲望に忠実に躍動するのも。それがドタバタに(必要最低限の)説得力を与えていて、好感。箱をめぐるドタバタとかもくっだらないけど、なにも考えずに笑えて楽しい。
 あと、大ダコだか大イカなのかよくわからん、あの「クラーケン」がでてきたときは素直に興奮した。奴が現れると、どうでもいい脇役が小気味良く死んでいく辺りの、作り手の人非人っぷりもわりとツボ。現実ではあり得ないアクションが満載なのも、全然気にならなかった。つーか、やっぱ「帆船が潜行する」シーンはかっちょいい。あそこだけ何度もみたい。



 まあ、カイマー映画なのでかなりいい加減で大味、楽しめる人を選ぶセンスの映画ではありますが、俺はなんだかんだと飽きずに見られたし、面白かったのでまあいいかなと。前作のキャラもガンガン出てくるし。その点の大盤振る舞いっぷりもわりといいかな。


 それにしてもキーラたんは女装よりも男装のほうが萌えますな。いや、マジマジ。彼女の男装パートはもう至福でしたよ。なによりもこころなしか演技に「胸苦しさから解放された」のびのび感があるし。待つ女から攻める女に変わってからの彼女は俄然魅力的*1で、しかもそれがクライマックスの展開に説得力を持っちゃう。あくまで俺的に、ですけど。そら船長も翻弄されるヨ、みたいな。いや、翻弄されたい。


 というわけで、グダグダなまま、感想終わりますけど、映画の終わり方も似たようなもんだからいいかな<オイ。物語を絡めた感想は、「3」でちゃんと予習して見てから書くから許して。(★★★)

*1:あれ?前作でもそんな感想書いたような?