虚馬ダイアリー

「窓の外」のブログ

「当たり前が贅沢」と「贅沢が当たり前」はちがう


 「よつばと!」5巻を買った。

 相変わらずなんで面白いのか、容易に説明がつかないマンガである。萌え要素がないわけじゃないのだが、現実にあっても決しておかしくない物語のさじ加減が絶妙。あずま氏が映像化をことごとく断ってるのがなんでかはよく分かる。アニメだろうと実写だろうと、どちらでもこの独特のバランスは崩れそうだからだ。
 破天荒な要素は少ないが、マンガ独特の詐術もしっかりある。うーん、しげしげと読むと凄いんだよな、このマンガ。よつばちゃんとその周囲の日常、という「すごくない話」に「すごい手間と技術」を使ったマンガ、というリッチ感がすごいのだと思う。630円の贅沢感。


 うーん至福。


 で、そんな私が、ドラマ「富豪刑事デラックス」を見た。かなり期待していたのだが、いまひとつ。今回のシリーズでは主役の神戸刑事がいかに金持ちであるかを見せつけることで、「デラックス感」を出そうとしているんだが・・・寒い。つまり金持ち自慢ギャグコメディになってきてるんですが、俺の大好きな「富豪刑事」はそうじゃねーんだよ!刑事ドラマという日常の枠のなかに「さらっと」←(ここ重要)金持ちの感覚が持ち込まれるギャップこそが、富豪刑事の面白さじゃねーか。前作のお約束のアレンジも改悪にしか見えない。うーん。変に金かけなくていいから、もうちょいわびしい感覚でやってくれないかなーとのたうち回ったり。


 結論:贅沢の無駄遣いは受け手にとっては全然贅沢じゃないのだ。


 虚構世界の摩訶不思議である。