虚馬ダイアリー

「窓の外」のブログ

「アンダーワールド:エボリューション」

toshi202006-04-28

原題:Underworld: Evolution
監督: レン・ワイズマン
公式サイト:http://www.sonypictures.jp/movies/underworldevolution/


 前作が狼男と吸血鬼の仁義なき戦いっぽかったが、今回は親殺し子殺しの罪と罰の物語である。ヒロインはたまたま運悪くそこに関わっちゃうことになったという、かわいそうな子だったりする。


 いや、面白かったんですが。

 この映画の不可思議なところは、物語が人類である我々との接点のなさにある。


 いや、接点ないのはいいんだが、そのわりに文明の利器はバリバリ使うわけで。生き方が器用過ぎやしないかと。銃と車を使いこなす使いこなす600歳とか、ハーレム作ってる隠遁吸血鬼とか、カメラとかパソコンを器用に動かす1000歳とか、その辺がどうもなあ。前作ではアメリカの一地方都市っぽい設定でそんなに気にならなかったんだが、今回の舞台が東欧っぽい国の田舎で物語が展開するので、そこに違和感があるのかもしれない。
 何百年とか何世紀とかいう言葉がなんともはや薄く響く物語と意匠の乖離と、物語構造や因縁のおおざっぱさ我々との接点のなさが、いよいよ極まっていて困った。人間と狼男のあいのこで最強生物っぽい、ヒロインの彼氏も頭あんまり良くないし*1
 血を吸うと吸血鬼が進化すると相手の記憶を乗っ取れるという能力のおかげで、物語自体はえらくテンポ良く進むので、アクションからアクション(またはエロ)へのイベント移行がスムーズなので退屈だけはしない。クリーチャーも結構力入っていて、いい感じだ。是非プレステ2でゲーム化してほしい。


 あとケイト・ベッキンセールにダンナ(監督)が萌え萌えなのは伝わってきて、前作以上に美しく撮っていて良かったですね。つなぎを脱がすシーンは個人的にピンポイント爆撃でした。眼福。
 いやま、夫婦仲良さそうでなによりです。(★★★)

*1:つーか、本来なら彼が観客との感覚の架け橋になるはずだったのだが、躊躇なく怪物化したりして、趣がまったくないのだ、こいつ。