虚馬ダイアリー

「窓の外」のブログ


 昨日につづいて、「ハウル」見てるんだけれど。


 気がつけば、「ハウル」公開から1年以上が経ってるわけだけど、それだけ経て、ようやく宮崎監督がハウルについての発言が出るようになったのは、変な感じだ。宮崎監督が「ハウル」について語ってる姿をDVDで見ていて面白かったのは、俺が公開されてすぐに見てから書いた「ハウル」の感想と、そっくりなことを言うことがあるってことで、なんか不思議な気がした。


 特に俺が思っていた「監督がソフィの精神に感応している(または尊重している)」というのは当たっていたようで、宮崎監督はスタッフが「自分の女房は自分が職場でどういう仕事をしているのか全く関心がない」と嘆いていた、というのを聞いて、(ソフィにとって興味がないだろうから)ハウルがどういう戦争をしているかの説明を省いた・・・という旨の発言をメビウスとの対談の中でしていて、聞いてて私は、もうモニターの前でにんまりしてしまった。


 そうでしょうともW、と。我ながらやらしい。


 それにしても、どうにもこの映画は素晴らしいのだが、それを簡潔にうまく伝えるのが難しい映画だよ。あと、宮崎監督って、なんか日本だと当たり前の存在みたいに感じちゃってる人多いだろうけども。おれはここ数年、映画をたくさん見てきたけど、その上でなお、宮崎駿は世界でも特異な天才だと思うよ。
 オタクなんか古き良き作品を愛してしまうが故に、「ハウル」のような宮崎駿らしからぬ概念の新作なんかを悪し様に言うことが多いんだけどさ、俺は物語にこれほど真剣な現役のアニメ作家って世界でも稀だと思ってるよ。時代と格闘しているアニメ作家っているか?宮崎さんくらいしかいないんだよね。だからいまだに畏敬の念をもってでしか語れないし、それでいいと思ってる。
 いつか、宮崎監督に関する文章をきちんと書いてみたい。俺が納得できる宮崎駿論っていまだにないんで。・・・半端じゃなく困難だろうけど。