虚馬ダイアリー

「窓の外」のブログ

2013-05-01から1ヶ月間の記事一覧

「グランド・マスター」

原題:一代宗師 監督 ウォン・カーウァイ 脚本 ウォン・カーウァイ/ヅォウ・ジンジー この映画はどういう映画か。というと。これはもう、ウォン・カーウァイの映画である。 映画を見終えてどう思うかと言われるとそれしかない。物語全体を通して見れば、葉問…

「セデック・バレ」

原題:賽絀克·巴莱 監督:ウェイ・ダーション 「よく聞け、セデックの戦士よ!敵の首を狩れ!血で魂を洗い流し、虹を渡り、永遠の狩り場へ行こう!」 この世には自分たちの「世界観」では理解できないことが往々にして起こる。 この映画の題材となった「霧社…

「きっと、うまくいく」

原題:3 idiots 監督:ラージクマール・ヒラーニ 面白かった。うん。 インド映画って両手に余らないくらいしか見てないので、印象としてこう「油ギッシュなサービス満載映画」というか「娯楽の洪水を胃もたれ覚悟でみる映画」という印象があったんだけど、「…

「中学生円山」

監督・脚本:宮藤官九郎 この映画の「世界」の中心は江戸川区平井にある団地である。 九時五時で仕事を終える、エロ動画とフルーツを食べることが趣味の平凡なサラリーマンの父・円山克之(仲村トオル)、地味でマニアックな韓流ドラマにはまっている母・ミ…

「ロイヤル・アフェア/愛と欲望の王宮」

原題:En kongelig affære 監督:ニコライ・アーセル 脚本:ニコライ・アーセル/ラスマス・ヘイスターバング 原作:ボーディル・スティンセン=レト 人に歴史あり。国にも歴史あり。 そりゃあ様々な過程を経て、今の「国」があるのは知ってるけど、やっぱり…

「探偵はBARにいる2/ススキノ大交差点」

監督 - 橋本一 脚本 - 古沢良太、須藤泰司 原作 - 東直己 文章を書く、ということはどういうことだろうか。 文章に出るのは、書く人間の自意識である。俺はこう見られたい。俺の事をこう見て欲しい。俺はこうなりたい。文章を書くと言うことは、「俺はこうい…

「舟を編む」

監督 石井裕也 脚本 渡辺謙作 原作 三浦しをん 言葉は「今」を伝える。 辞書は言葉の海に漂う一艘の舟だとこの映画では言う。「うん。そうか。」と思いながらも、「そうなのか?」とも思う。言葉というのはムズカシイ。 言葉の発明は時に、新たな「概念」を…

「藁の楯」

監督 三池崇史 脚本 林民夫 原作 木内一裕 うむ。もったいない映画だったなあ。 出だしはなかなか快調である。1人の幼女の暴行によるショック死による遺体が発見され、捜査線上に過去に同じような犯罪を犯した男・清丸(藤原竜也)の名前が浮上する。被害者…