えーまあ、久々にくだらない話を。
涼宮ハルヒの憂鬱 ブルーレイ コンプリート BOX (初回限定生産) [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: 角川映画
- 発売日: 2010/11/26
- メディア: Blu-ray
- 購入: 30人 クリック: 881回
- この商品を含むブログ (118件) を見る
自分が初めて「アニメ」の流行についていけない、と軽く絶望したのは「涼宮ハルヒ」シリーズの出現だった。
考えてみると、わりかしゲームもアニメも映画も雑食気味になんでもかんでも見たりやってりしていた頃、ふいに現れたムーブメントを巻き起こす「涼宮ハルヒ」はボクにとって、「異形」のアニメに思われた。いや、なにってね。少女たちの目玉が異様に大きいじゃないすか。
京都アニメーションによるロケハンして緻密に描かれたリアルな背景に、リアル等身の男性キャラたち。そこにまじって、デフォルメされた少女キャラの顔の目玉のでかさは、俺にとって初めて「これはちょっと・・・」という感じを受けた。男性キャラも一緒にデフォルメされてるならまだしも、女性キャラだけデフォルメされた顔なのが、正直「気持ち悪い」と思ってしまったのだった。
涼宮ハルヒがアニメ化して6年半経つそうだけど、正直「受け付けない」時期が長く、その後「きちんと話が面白いアニメシリーズ」として落ち着いて見られるまでに、長い年月を要した私には「まあ、そんぐらい経つんだろうな。」の感がつよい。
で、そんな「目が大きい女性キャラ」を苦手とする私が、今、心おきなく見られるアニメがある。
TV放送開始30周年記念 じゃりン子チエ SPECIAL BOX(セット数予定) [DVD]
- 出版社/メーカー: キングレコード
- 発売日: 2011/12/14
- メディア: DVD
- 購入: 3人 クリック: 6回
- この商品を含むブログ (14件) を見る
テレビアニメ版「じゃりン子チエ」である。
いやま、高畑勲監督による、最初のアニメ化である「劇場版じゃりン子チエ」はジブリブランドでDVD化された際にみたことはあるのだけれど、その後作られたテレビシリーズは一向に見たことがない。関西ではやたら再放送されていたらしいけど、関東ではそういう機会もなく、昔はバカ高かったDVD-BOXに手を出す勇気もなく、長らく放置していた物件である。
Hulu(フールー): 人気映画、ドラマ、アニメが見放題!【お試し無料】
ところが、現在HULUで第一期が全話見放題になったことで、全65話をしこしこと見ていたのであるが。まー面白い。原作も一時期中古本屋を巡って集めるくらい大好きだったんだけど、アニメ版もチーフディレクターが高畑勲が担当しているからかスタッフも豪華で出来が良く、はるき悦巳独特の台詞のやりとりも実際アニメで見ると実に小気味いい。
でまあ、見ていてふと思ったけど、これはこれで十分に萌えられるアニメだと思う。
↑こんなに目が小さい、笑顔になると歯が4本というキャラにもかかわらずである。(左がチエちゃん、右がヒラメちゃん)
まったく働かない父に代わって店を切り盛りする、たくましいけど繊細なところある主人公・チエちゃんは、普段言うことはキツいけどいざとなったら思いやる心を持った「ツンデレ」キャラだし、チエと仲良しの同級生「ヒラメちゃん」は努力家で絵や相撲などの才能はあるものの基本的に自信のない「ネガティブ」少女で、顔は萌えキャラからはほど遠いにもかかわらずその内面と声を担当する三輪勝恵の声質も手伝ってだんだん可愛く思えてくるし、その後やたらテツや花井先生など、大人に彼女のファンが増えてくるのも納得である。*1そして、なにより最強なのは、「チエちゃんのおかあさん」こと「ヨシ江はん」である。
はじめに登場した時は、基本働かずに娘に働かせてバクチ三昧のチエの父・テツから逃げ出した、物静かで貞淑できれいなお母さんとして登場し、いまにも消えてしまいそうな儚げな雰囲気を漂わせていたのだが、実は元・陸上選手だったことが判明する「父兄運動会」の回以降、実はテツと二人きりの時は、ガチガチに緊張して全くしゃべれなくなるテツをリードしていたのはヨシ江はんの方だった、というショーゲキの「キャラの逆転」が起きる。
つまり俗に言う「攻め・受け」でいうところの「受け」だと思われていたヨシ江はんのキャラが実は「攻め」であった、という二面性が彼女の魅力の根源なのである。「受けに見えて攻め」。これを想像するだけで、かなりグッときたりする。
↑アニメ版39話で描かれる、若き日のテツとヨシ江はんの再会場面。ラブコメすぎる。
さらに腐女子向けカップリングもばっちり。(参考資料:【じゃりン子チエ】「イベントで配ったペーパー[腐向け]」/「わさまる」のイラスト [pixiv])
猫の小鉄×アントンJr.は実際擬人化同人誌が出るほどだし、気持ち悪いほど仲が良くおばあはんに「このまま独身だったら違う方向に発展する」(意訳)と言わしめたカルメラ兄弟、実は結構仲が良いテツ×花井拳骨・渉親子、マサル×タカシという線もある。
腐向けネタはともかく、あと数年もすればコケザルとマサルはチエをめぐって火花を散らしそうな雰囲気もあるし、テツとヨシ江はんのなれそめなんかは、これだけを描けば多分、大長編のラノベにできるんじゃないかと思いますけど、どうですかみなさん!
・・・てなアホな話はともかく。結論としては、「みんな!アニメ「じゃりン子チエ」は面白いから見てね!」ということと、「昨今のアニメの女性キャラは、もうちょい目を小さくしてくれてもおっさんは一向に構わないよ」ということである。むしろそっちがいいのです。
*1:「海へ行く」回で泳げない二人が特訓のためにチエに隠れて会う場面は、相手がテツじゃなかったらちょっと危ない場面にすら見える