虚馬ダイアリー

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原題:保持通話
監督・製作:ベニー・チャン
原案:ラリー・コーエン
オリジナル脚本:クリス・モーガン
脚本:ベニー・チャン、アラン・ユン


 さらわれて監禁されたひとりの女性。部屋には壊れた電話がひとつ。なんとか修復してかけてみる。つながった男に助けを求める。しかしつながった相手は平凡な男。だがこの「つながり」を手放すわけにはいかない。それだけが、今の私、そして娘の命綱なのだから。


 ラリー・コーエン製作のB級サスペンス映画「セルラー」を香港映画が誇る娯楽監督に成長しつつあるベニー・チャンが監督してリメイク、ということで。まー、期待に違わぬ映画でありました。

 僕はあまり「セルラー」という映画がすきではにゃーのだが、その理由は単純に主人公にまったく共感できなかったからで、つまり、そこさえクリアすればまったくもって面白い映画になるということで、その点をクリアしたという意味においてはこのリメイクは意味がある。
 さらわれた「女性」は「女教師」からシングルマザーのロボットエンジニア((壊れかけた電話を直してかけまくる、という芸当のリアリティ">*1、助ける方の男を無職?のボンクラから、シングルファザーの冷や飯喰らいの経理マン*2とすることで、自分の子供を救いたいという切なる願いを、自分の息子との思いに重ねる、という動機付けは「正義感」やら「良心」などという言葉を越えた、「感情」を生み出すには十分ではないか、と思う。


 面白いのはこの映画が、ベニー・チャン監督の演出生理によって、サスペンス映画というよりも「アクション」の方向に映画の針が振れることで、娯楽映画としての肉体としては、こちらの方が上、と僕は思う。その分、物語がサスペンスというよりはコントになってきているのだが、「香港映画」というジャンルにおいてみると、それはむしろ「アリ」ということになる。
この辺は好みの問題になるのだが、荒唐無稽な行動とサスペンスはそぐわない、と思う人間としては、だったら、B級サスペンスの焼き直しという道を捨てて、基本的なストーリーの荒唐無稽さはそのままに、たまたまつながった携帯電話の相手のために、アクションとは無縁な男が巨大な敵を相手に必死に香港を疾走する、荒唐無稽なA級アクション映画を目指した、この映画が有する「感情」と「肉体」の連動を、僕は支持したいのである。
 僕がベニー・チャン監督が大好き、というのをさっぴいても、まー楽しい映画でした。(★★★★)
 

*1:" title="(("> 原題:保持通話 監督・製作:ベニー・チャン 原案:ラリー・コーエン オリジナル脚本:クリス・モーガン 脚本:ベニー・チャン、アラン・ユン  さらわれて監禁されたひとりの女性。部屋には壊れた電話がひとつ。なんとか修復してかけてみる。つながった男に助けを求める。しかしつながった相手は平凡な男。だがこの「つながり」を手放すわけにはいかない。それだけが、今の私、そして娘の命綱なのだから。  ラリー・コーエン製作のB級サスペンス映画「セルラー」を香港映画が誇る娯楽監督に成長しつつあるベニー・チャンが監督してリメイク、ということで。まー、期待に違わぬ映画でありました。  僕はあまり「セルラー」という映画がすきではにゃーのだが、その理由は単純に主人公にまったく共感できなかったからで、つまり、そこさえクリアすればまったくもって面白い映画になるということで、その点をクリアしたという意味においてはこのリメイクは意味がある。  さらわれた「女性」は「女教師」からシングルマザーのロボットエンジニア((壊れかけた電話を直してかけまくる、という芸当のリアリティ

*2:本来アクションとは無縁の人間が大アクションを展開する面白さ