虚馬ダイアリー

「窓の外」のブログ

虚馬メモ RETURNS




 ・昨年末あたりから話題で、前々から読みたいとおもっていた「鈴木先生」1巻2巻(武富健治/双葉社)をようやく買って読んだ。これはすごい。
 誠実でルックスも頭も良く先生方からも生徒からも信頼されている鈴木先生がささいなほころびから、生徒たちの抱えるちいさな大問題に向き合っていく、という話で、こんな先生いるわけない、と知りながら、その苦悩ぶりをギャグにさせないのが本当に凄い。なんでか胸に迫る。教育という題材で思春期の生徒たちのデリケートな問題に踏み込みながら、答えを見つけ出そうとする七転八倒っぷりが本当に面白い。苦悩が苦悩を呼んで、この漫画の落としどころが見えなくなってきてるんだけど、その予断を許さない展開も含めて本当にうまい。真剣に苦悩してる人間は本当にエンターテイメントになるんだな、と思う。


 久々に漫画を読んで、こころから興奮した。すげえなあ。すげえ。


 あと、「@人気投票編」の山崎先生の壊れっぷりはすごかった。あの人間の決壊する瞬間の、「あの感じ」が的確に表現されてて、度肝抜かれた。あれはいやだなあ。壊れた当人も見てる方も救われないあの瞬間。積み上げてきたものを自らの手で破壊してしまう、あの感覚を、過程に至るまできちんと描いたものって、初めて見た気がする。