鳶がクルリと
監督:薗田健次 脚本:丸山昇一
某シネコンのレイトショーで見た。客、俺しかいねーの(笑)。映画館でひとりで見たの、初めてだよ、俺。
で、鑑賞したよ。最後まで。
…うん。やる気は認めてもいい。
でも薗田健次は二度とコメディ撮らない方がいいと思う。センスないから。
演出は頑張っていると思う。だけど、その頑張り、すべてが無駄。笑えねーの。おそらくね、東映のプロデューサーがさ、薗田監督に「なんかさー、「下妻」*1的なもの、撮ってくんね?」とかいう、要請があったんだと思うんだよ。邪推だけどさ。で、これ、薗田監督なりの「下妻」なのだと思う。それ以外の描きたいことも感じない以上、そういうことなんだと思うし、東映も「鳶クル」とか略して女子受けを狙った売り方をしてるのを見ても、それは感じる。
でもね。慣れないことしてるとしか思えなかった。ポップな演出を目指すのはいいけど、編集はむしろ鈍重だし。
題材としてはタカビーOLと鳶集団のカルチャーギャップコメディだと思うんだよね。でもさ。全然物語に入り込めない。OLの側でも、鳶の側でもいいけどさ、どっちかに観客のとっかかりを作る努力をしようよ。まず。どっちの側も感情移入できるキャラがいねーの。そんなんで、映画に入り込めるかっつの。
リアルであれ、とは言わないけれど、丁寧に描けばいくらでも面白くなる題材でつまらないのはいかんともしがたい。
俺、観月ありさって、そんなに悪い素材じゃないと思うけど、可愛く撮れていないのも問題。老けて見えたし、第一ヒロインにまったく感情移入できない。その代わり、男性陣の無駄な脱ぎ満載。特に品川庄司の。いらねーよ馬鹿。誰の要請だ。
そんな中、哀川翔兄貴は相変わらずかっこよくてヒロインも思わず彼氏を振っちゃうほどなんだけど、そのかっこよさもヒロインに共感ができない以上、無用の長物状態だし。もったいなさすぎる。
というわけで、いろいろ問題が多すぎる映画でした。まあ、「みそ汁で顔洗って出直せ」って感じですか。(★★)
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