しつこく「風雲児たち」のすすめ
コンビニに行ったら「コミック乱」が置いてあったので「風雲児たち〜幕末編」に目を通してみる。
…雑誌映えしない漫画だなあ。
無印のワイド版は10巻まで購入。宝暦治水という悲劇。蘭学者たち、冒険者たちの果てなき苦闘、彼らの活躍を支えた田沼意次の開明な政治姿勢。常識を超え、未来を変えようとする太平の「志士」たちもまた英雄である、とこの漫画は叫ぶ。260年の泰平の世にも、保守的な何かに抗い、戦う男たちはいるのであった。
みなもと太郎のすごいところは、それらの男たちをギャグ漫画家という自分の作家性を存分に生かして愛すべき男たちとして描いたことにある。彼らは決して雲上の人ではない。「現在」を生きる人々であったのだ。
後に幕府を立て直した立て役者の一人と唄われる松平定信が、実は「華氏451度」も真っ青の発禁屋であった事実も克明に浮かび上がらせる段に至っては快哉を叫ばずにおれようか。
歴史を動かすのは権力者ではない。歴史に虐げられし者たちなのであった。
というわけで、読もう!「風雲児たち」!