虚馬ダイアリー

「窓の外」のブログ

アニメとのタイアップが盛んな「週刊少年チャンピオン」。現在「舞-HiME」を連載中だが、そんなチャンピオンに意外な伏兵が現れた!


その名は


ブラック・ジャック〜黒い医師」



手塚治虫作品の中でも屈指の人気作品を、18禁コミック出身であり、「カオシックルーン」で見事なエログロ描写でチャンピオンにおいて名を馳せた山本賢治先生がリメイクするという、「ブラック・ジャック」アニメ化便乗企画。今週発売号からのシリーズ新連載である。
あくまでも原作のストーリーを尊重しつつ、山本賢治先生が漫画部分を担当するだけの企画であり、無難な出来になるかと思ったが、いざ出来上がったものを見たら…甘かった。


新連載第1回は「ナダレ」。溺愛するシカを実験材料にして、自らの理論を裏付ける為の手術をブラックジャックに託した脳外科医。動物実験の悲劇を描いた傑作エピソードなのだが、なんか、読んでいると話は同じなのに印象はまるで違う。


手塚先生だからごまかせていたエログロがモロに…!!


ナダレに殺された被害者や、婚約者の死体の内蔵を生々しく描き、テーマが「ナダレ」の怪奇性を増大させている。
かつて、コミックス化されたとき、ブラックジャックは「恐怖コミックス」というジャンルで売られたわけだけれども、山本先生はその「恐怖」部分を拡大。ブラックジャック先生はマッドな雰囲気になっている。まるで、「人間の欺瞞の結果が面白くてたまらない」かのようなそんな性格になっている。


「人間には動物を裁く権利はあるのかね?」


は医学の欺瞞を告発する、原作でも屈指の名台詞なのだが、山本版の間黒男先生は「キヒヒヒヒ」という笑い声がぴったりな、邪悪な笑顔でのたまうのある。
このままいくと、今後手術シーンなど肉体の再現、ピノコの全裸など、手塚版ではなにげなく流されていた場面が、かなりギリギリな描写になる可能性が……!


これは凄いシリーズになるかもしれない…。いろんな意味で。