虚馬ダイアリー

「窓の外」のブログ

江戸川番外地9周年。


 拙blog「虚馬ダイアリー」は一応、「江戸川番外地」というHPの1コンテンツ、ということになっておりますが。


 その江戸川番外地、10月1日をもって、9周年という節目を迎えることになりました。


 1999年に就職が決まって手持ち無沙汰になった折に、きまぐれではじめたのがきっかけのホームページ。試行錯誤、七転八倒、回り道に5年ほど費やしながら、虚馬ダイアリーを始めたのが2004年。細々と、漫画、アニメ、ゲーム、映画の感想および、ニュースサイトの真似事のようなこともしたりしながら、やがて、破壊屋さんやm@stervisionさんをはじめ、様々な方からリンクされたりアンテナに入れていただく過分な幸運もありつつ、なんとか続けてきた次第。
 それもこれも拙ブログを見に来てくださる皆様のご支援の賜物と、感謝しております。


 私を「映画通」と言ってくださる方まで現れて面映いこと仕切りですが、私はむしろ「映画通」とは真逆、「映画を学んでいる最中」の人間でございます。なにせホームページを始めたときなど、映画は好きだけど、映画を語るのもおぼつかない。右も左もわからず右往左往、映画感想など書くよりも読む方がまし、ってな具合のものでした。そんな状態で書き始めてから、早9年。それでもまだ、道半ば。映画はわからない。映画は難しい。けれど。だから。映画は面白い。
 映画は、むしろ見れば見るほど、「すべてわかった」とは言いがたい奥深さを秘めたジャンルだと痛感します。だからこそ、自分は映画から「受け取った」ものから学ぶ、ということだけは必死にしがみついて続けてきました。映画を完璧にわかる人間などおりはしません。映画はあらゆる国の、千差万別の題材、数多の作家の思い、様々なジャンルを取り込み、それを我が物にしてしまう変態する胃袋のような、力強さと柔軟性を兼ね備えたジャンルといえます。


 アニメ、ドラマ、フィクション、ノンフィクション、アクション、ホラー、ミステリー、SF、ファンタジー。ありとあらゆるジャンルを取り込みながら、それは「映画」であるといわしめる、まさに魔物であります。映画は、良きにつけ悪しきにつけ、いつだって自分に驚きを与えてくれます。


 映画感想を書き続けるにあたって忘れないようにしていることがあります。それは・他ジャンルの物語を決して愚弄しないこと。そして・作り手がその「作品」に関わってきた「時間」に対して敬意を忘れないことです。
 ひとつのジャンルに偏って愛すると、他のジャンルがまるで下等のような扱いをする態度を取ってしまうことがあります。ですが、それはしてはいけないことのように思います。また、映画は「これこそが正解である」という物言いもまた、映画の柔軟性を損なうつまらない考え方だと思います。
 そして、監督や脚本やその他スタッフのみなさんが、作品にそそいできた「時間」の密度に敬意を表したならば、決して作り手を「自分より下」に見るような物言いには決してならないと思います。


 受け手という形で関わったのならば、その作り手の思いを何分の一でもいい、受け取って、指から零れ落ちそうなものをなんとか掬いとって、その掬い取ったものを文章として反映することが、自分のような浅はかな人間が作品の本質に近づけるただひとつのことに思います。 自分はただ、そのためにこの映画感想を続けているのです。
 映画、漫画、アニメ、小説、ゲーム。あらゆるジャンルの本質に近づくには、まだまだ力足らずな自分です。そんなあたくしの文章でも、読んでくださる方々がいる。こんな嬉しいことはありません。これからも、変わらぬご愛顧をお願いしつつ、10年目のご挨拶に代えさせていただきます。