虚馬ダイアリー

「窓の外」のブログ

よろけた拍子に立ち上がれ!または、江戸川番外地10周年

ひとーりじょおずとよばないでえー♪



 (本文と画像は多分関係ありません)

よろけた拍子に立ち上がれ!
誰も見てないところで牙をむけ!

藤岡藤巻「よろけた拍子に立ち上がれ!」より)

よろけた拍子に立ち上がれ!

よろけた拍子に立ち上がれ!


 というわけで。
 大変私事ではございますが。10月に入りまして、私のHP『江戸川番外地」が10周年を迎えました。
 これもひとえに、ここを訪れてくださる皆様ひとりひとりがいればこそ、続けてこられました。まずは御礼申し上げます。ありがとうございます。





(以下、ちょっとした回顧エントリです。そういうのに興味ない方はスルーで。)






 さて。なんで始めたんだったかということですが。当時は就職も決まってヒマにしてたのもあって、「何かやりたい」という漠然とした気持ちから始めたんだと思う。思い返すと、ホームページを始める以前の私の主戦場は「セガ伝言板」(SEGA BBS)という掲示*1で、そこで一ユーザーの「窓の外」として活動していて、インターネットの人間関係も、そこが基本になってました。ジオシティーズがちょうど全盛期で、いろんなユーザーのヒトがサイトを持ち始めたのに触発されたかなんかしたんだと思います。。2001年頃にセガが映画板、漫画板、アニメ板などを根こそぎ閉鎖して大量の「セガBBS」難民を生み出したわけですが、私もそのひとりでした。
 まあ、「セガ伝言板」の話は長くなるので割愛します。
 ホームページのプロフィールにはあくまでも日記がメインで、映画感想はおまけです的なことを書いてありますが、大分羊頭狗肉になりつつあり、恐縮です。最初の5年くらいは、日記と映画感想を分けて書いていましたね。日記のタイトルは「物欲日記」→「物欲亭日乗」→「虚馬日記」という変遷を経て、それをブログに移行させた「虚馬ダイアリー」に至ります。いまのブログの前身である虚馬日記にタイトルを変える時に、俺、こんなことを書いてました。

 内容は窓の外の虚ろな人生および虚構を愛する日々。
 いままでの物欲日記系から、虚構好きとしてのレビュー感想に特化したテキストサイト*2として生まれ変わります。

 ま、これは時間的体力的制約から映画感想と日記更新が難しくなった苦肉の策なんですがW。

(中略)

 映画、漫画をメインに小説、ゲーム、ネットの気になるモノも取り上げて行けたら、と思っています。 ちなみに告白しますと、この新日記のアイデアは「サイコドクターあばれ旅」さんの「読冊日記」を参考にしました。

(中略)

 永遠に追いつけないであろう先達がある以上、アプローチ的には全然別方向なのですが、頑張って更新していこうと思います。

http://members2.jcom.home.ne.jp/t20/nitijou_020103.html

・・・そうだったのかー<こら。無謀なことを言ってて、今となっては冷や汗ものですけれど、志だけは高かったんですな。バカのくせに。風野春樹さんを尊敬している、という点は今も変わりませんけど。


 しかし、この「虚馬日記」は結局迷走に迷走を重ねてまして、最後にはニュースサイトの真似事まで始める始末だったんですが、考えてみればこれっていまの「はてブ」みたいなモンだった気がする。うわー、先取ってるう<空しいからヤメロ。しかし、あの頃の僕は本当に手当たり次第にいろいろやってました。やっぱり「読まれたかった」んだと思います。そしてどうしたら読まれるのかわからぬまま、もがいていた時期だった気もします。文体も時期によって違いますし、なんか本当のドツボにはまりこんだ感じでやってたかもしれません。でもだからこそ、やりたいことやれることは全部やる!みたいな開き直りがあって、漫画もアニメもドラマも映画も小説も、なんでも飲み込んでやる!という、気持ちが先走った挙げ句、それぞれに半端な自分という現実に常にいらだっているような、そんなところがありました。精神的にも体力的にも、常にギリギリでやっていた感じがあります。出社途中に突然エスケープする事件を起こしたのもこの頃で、本当に精神的にぐらぐらでした。
 でも、そのジタバタが今につながっている気もします。少なくとも本気でやってましたし。考えすぎるくらい考えていました。理想と現実のギャップと、認証欲求の高まりが精神のバランスを壊していた感もあります。


 はてなに移行したのはその連鎖を一端打ち切りたい気持ちがあったのではないか、と今にしてみると思います。


 はてなに移行してしばらくして始めたテレビアニメ「プラネテス」全話感想というのをやって、これが非常に良かった。憑きものが落ちた感じというか、半年間ひとつの物語に真剣に向き合いやり遂げた、という感慨があり、好意的なリアクションも多く頂いたりと自信になった部分が多く、なおかつ「物語」というものへの信頼を非常に強くした出来事でもあります。
 m@stervisionさんのや破壊屋さんほか、様々な方からリンクしていただいたりアンテナに入れていただいたりして、今ではすっかり「映画感想」のヒト、というイメージで定着している感じのある我がサイトですが、実はいろんなジャンルの物語に支えられて今があります。セガ掲示板の知り合いのヒトたちと、とある掲示*3で書いた「週刊少年ジャンプ」の感想ツリーは5年間お世話になりましたし、その中で「他人を意識しつつ自分の意見を書く」という訓練にもなりました。週刊連載の感想はしたり顔で批評したりすると、次週で痛い目見たりするので(笑)、「語り手を見て読む」訓練にも最適でした。そういうことをやっていたことと、今の私は無縁ではないです。


 そんな回り道をしなががらも、辛抱強く続けてきた映画感想も。結果とんでもない本数になってしまい、「虚馬ダイアリー」も5年以上やっております。
 僕は映画評論に一切の興味がなく、「映画感想」という形にこだわるのは、常にあらゆる虚構からなにかを感じ取って生きていたいからで、その物語を「わかる」ことを誇示するのではなく、「感じ取った」そのもやもやとした「何か」を言葉にしたい。映画を「説明」したり「足し算引き算」で物事を評価したり見下すようなことはしたくないのです。
 サイト開設から10年たってなお、私は「惑い人」でありつづけたいと思う。ぼくは、まだ惑いながら生きている。そして、その中でひとつひとつ、自分自身の言葉で、答えを見つけていきたい。

よろけた拍子に立ち上がれ!
このまま終わるな! 最後にひとあがき!

藤岡藤巻「よろけた拍子に立ち上がれ!」より)


 ・・・てな感じで、これからも、そんなおっさんの「物語」への迷い道にしばしお付き合いいただければ幸いです。

*1:セガ掲示板の変遷についてはこちらが詳しい。http://www.aya.or.jp/~tko/a4/shistory.htm

*2:筆者註:時代を感じさせるなあ。テキストサイト

*3:今は閉鎖されログも残ってない