虚馬ダイアリー

「窓の外」のブログ

アニメ映画と作家性

toshi202005-03-06



 朝一番で、「ワンピース THE MOVIE 〜オマツリ男爵と秘密の島〜」を見に行った。


 何を隠そう、「ハウルの動く城」を監督する…はずだった細田守の最新作。
 俺、この人の作品って、デジモンの劇場版といくつかのテレビシリーズしか見たことないんだけど、この作品見て…アニメ映画に向いてないと思った。


 この人、良くも悪くも職人アニメーター気質なんじゃないかと思う。


 はっきり言ってアニメ監督としての技術的な意味での巧さは、前半部の面白さが証明してる。それはわかった。だけどこの人の欠点は、映画において何を描くべきなのかを絞れないことだ。宮崎、押井、今、原みたいに映画作家としても一流になれとは言わない。だけど、湯浅政明のような破天荒さも、岡村天斎のように娯楽映画として楽しく見せきろうという意思もなく、しかもテレビの構成作家の、構成力のかけらもない脚本をなんの疑問もなくそのまんまアニメにしてしまうのは、アニメ作家として描くべき世界観が欠落してる気がする。


 無論俺が前に見たワンピースの映画(「デッドエンドの冒険」)よりは格段に面白かったけれど、見終わった感想としては、子供映画としては暗すぎて、大人映画にしては頭良くない。中庸、という言葉がぴったりの印象しか持てないのは残念なことだった。