虚馬ダイアリー

「窓の外」のブログ

Bourne Re-born

toshi202005-02-13


 手品をしまーす。まず、あなたを映画館に連れて行き


 「ボーン・スプレマシー」を見させ、


 映画館から出るとあら不思議。なぜかあなたの歩きが早足に!



 …というわけで、早歩きの精密機械、ジェイソン・ボーン復活!の「ボーン・スプレマシー」を見てきました。このシリーズを見ると体が勝手に早足になってるんだよね。不思議に。俺だけ?
 前作は記憶を無くした元・CIAのトップエージェントの物語。ボーンは、記憶はないけど体は正直、勝手に動いちゃう、いやん、俺のばかん、って感じでしたが(どんなだ)、今回はある程度自分が何者かを把握した上で、自らの過去の真実を追い、行動する男になっております。個人的には前作より好みの話。前作で恋人となったマリーが、ボーン自身の過去を知り、標的とする者たちの手に掛かり、巻き添えで死亡したことで、ボーンは自らの過去にケリをつけるべく動き出します。


 今回、前作からのパートナーが死亡したことで、孤独で悲壮感が増したボーンには男の渋みと苦さが漂っており、何より本作では色恋要素ゼロ。硬派ミステリー映画の要素を多分に持ってます。ケータイも巧みに駆使し、断片的な情報を200%生かして標的に近づき、ネットカフェも使いこなす情報収集能力。考えるのと動くのが常に連動する男の見事な躍動が緊密に描かれていて、体のアクションや断片的な情報で多くを語るなど、観客に媚びない演出・脚本もいい。


 リアルさ故に派手さはなく、話は明るさとは無縁。故にデートには不向きっぽいですが、全編を貫く緊迫感は昨今のアクション映画が無くしたものを持っていると思う。体で語る、男のアクション映画ですよ。