虚馬ダイアリー

「窓の外」のブログ

今週のプラネテス-ΠΛΑΝΗΤΕΣ- PHASE.10「屑星の空」

http://www.planet-es.net/
http://www3.nhk.or.jp/anime/planetes/


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●あらすじ(公式ページより)

デブリ課員のユーリ・ミハイロコフは、5年間一度も有給休暇を使ったことがなく、ToyBoxにカーネーションを飾ったり、一人宇宙を眺めていることが多い。ある時ハチマキは、ユーリが毎週資料課でデブリのデータを調べていることを知る。彼には捜し続けているものがあったのだ。


●メモ

・原作エピソード

プラネテス(1) (モーニング KC)プラネテス (1)」PHASE.1「屑星の空」より。


 原作の第1話。ユーリの過去が明らかになるエピソード。

 それにしても、メインが寡黙なユーリと覇気がないタナベなので、台詞が拾いにくい。 


「ああ…宇宙が見えます。」「宇宙だけ?」「はい、他には何も。

 いつも船外を見ているユーリに、ハチマキが聞いた「何か見えるのか」という問いの答え。


「有休はきちんと消化してくれないとさ。」「すいません。そのうち、きっと」「そういって丸5年使ってないんだよ、君は。」

 有給休暇を消化しないので、ラビィから説教を受けるユーリ。有休を使うのは労働者の権利。きちんと行使しなければならない。それを分からないユーリではないのに、使わないのは…?


「聞いてくれって言ったろ?男がいるか。」「じゃあフリーってことかい?」「ああ、しっかしわかんねーなー、お前の趣味。」

 一方、ハチマキはタナベを好きだというチェンシンに義理を果たす。軽くイヤミなジャブを無意識にいれつつ。


「仕事中に男のことを考えてたんじゃないのか?」
「やる気がないんなら結婚でもして、とっとと地球(おか)に帰りな。」

 タナベが大ポカしたことに対する説教のはずが、覇気がなくどことなく自分を避けているように思えるタナベへのいらだちから、思ってもないイヤミを連発するハチマキ。主人公格だろうがなんだろうが、ネガティブな面をガンガン描くこのアニメは偉い。



「それだけなら私も言わないわ。…何いらついてんの?」

 ユーリ、チェンシン、タナベ。ふとしたすれ違いから出来たささくれからくるいらだちを、フィーから指摘されてしまうハチマキ。こういういらだちって、一番説明しにくい。


「大切な人がいなくなるとね… 悲しくも辛くもないんですよ。何にもないんです…気持ちが。…考えないことです。考えすぎるのはよくないですよ。どんな相手とでも別れは来る。それが早いか遅いかだけの違いです。」「でも」そう思わなければ…辛すぎるでしょ。

 タナベが抱えていた「秘密」を告白されたことで、自分の今の気持ちをふっと喋るユーリ。タナベってこういう「重大な秘密」を抱えた男から秘密を明かされやすい性格なのか。


「よくわかるんだなあ、俺のこと。俺はユーリのこと全然わからねえ。3年も一緒にいるのにさ。隠れて何やってんだ?」
「ユーリ、調べものしてるんだって?毎週毎週。手伝ってくれとかあってもいいだろ!!仲間ならさ!!なんだよ!俺に隠れて色々とさ!!…こそこそすんなよ、ユーリ。」

 タナベが秘密特訓してると聞いて、教えに行ったら、ユーリが先にいて今度はユーリに爆発するハチマキ。今週のハチマキは歩くイヤミ地雷原か。


「白いカーネーション花言葉『私の愛は生きている』、ですから。」

 エーデルの机の上に白いカーネーションがあるのを見て、ユーリがエーデル目的でプレゼントしたんじゃいかと冷やかすハチマキに、エーデルが即座にそれを否定する、その根拠。エーデルもその可能性を考えなかったわけじゃない、という裏返しでもあるんだけど、むしろ際だつユーリの傷。



●雑感

 クライマックスについて、メモに書こうと思ったんだけど、いくら俺でも野暮すぎるんで、やめます。もう何回もみているはずなのに、泣いてしまう。駄目だ。


 届かなかったはずのコンパス。届くはずのなかった手。


 「何もない」はずの宇宙で、何かがユーリを引き上げる。ユーリの手の中に、7年越しで届いた祈りが見えた瞬間、涙腺爆発。ぼろぼろです。


(追記)

 今回の話、原作とアニメ、どちらが出来が良いかと聞かれると、原作の方が良い。他の登場人物の事情などを描く必要がなくユーリだけのドラマに集中しているし、なにより元が読み切りなので話としてはまとまっている。

 しかし、泣けるのはアニメのほうなのである。

 原作の第1話の至るまでに9話分かけて、ユーリという人間像を描いてきた。9話分の伏線と1話分のクライマックス。これこそがアニメシリーズ、テレビシリーズの醍醐味!