虚馬ダイアリー

「窓の外」のブログ

今週のプラネテス-ΠΛΑΝΗΤΕΣ- PHASE.9「心のこり」

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●あらすじ(公式ページより)

ハチマキの師匠のギガルトが、保安指導のためデブリ課にやって来た。ギガルトは以前デブリ課にいたので、課員と親しい。タナベは彼らが話すのを聞き、デブリ課の面々の過去を少し知って、嬉しかったり、驚いたり。しかし、ギガルトとともにある事件を解決した直後、タナベはギガルトの重大な秘密を知ってしまう。


●メモ

「軌道保安庁のギガルト・ガンガラガッシュだ。今日から5日間保安指導を行うことになった。」


<初登場キャラ>
ギガルト(本名:ギガルト・ガンガラガッシュ。元・テクノーラ社デブリ課の社員でハチマキのEVAの師匠。現在、軌道保安庁所属。)設定資料


 ちなみに初登場は第2話なのだが、名前が判明するのが今回。


 …というわけで、今回の話は軌道保安庁関連がメインディッシュ。デザートにラブコメ


「名前を覚えるのが苦手でな。あだ名をつけて覚える。」



 この人のネーミングセンスは名前覚える、というよりは人の個性を把握するためのもののよう。大抵あだ名の方が文字数が多かったりするし


保安庁からの軌道保全業務監査の対応は、頼めるな。」


 面倒くさくてメリットがない仕事のせいか、それとも元社員のギガルトが監査担当だからかは知らないが、この仕事、たらい回しに。手をあげたのはクレア。複雑な反応を見せるゲーハート課長。一任するドルフ事業部長。



(つき合っている娘(こ)は)いないけど、気になっている娘はいるかな。」「…それって…タナベですか?」「うん。」


 リュシーからの誘いを断った後、誰かつき合っている人がいるのかと聞かれて正直に答えるチェンシン。まさかリュシーが自分を好いているのを知らないわけではあるまいが、タナベかと聞かれて臆面もなく肯定するこの男。こいつはこいつで、ある意味度し難い。



「わたしに…その…つきあっているひとはいるのかって…」「いるのか?」「いないです!」


 ここらへんのシンプルなやりとりの中にある複雑さが個人的には好き。友情と感情(恋愛感情なのか本人の中でも識別出来てない?)の狭間で気持ちが揺れるハチマキと、ハチマキの反応を、ある種の期待を抱えながら答えるタナベ。



「俺の先生の様な者だ…ローランドさんは」


 つまり月で出会った元・英雄はハチマキの師匠の師匠だったのでした。



「ハチマキ…おまえ白鳥さんとはどうなってるんだ?」
「白鳥さんて!?」「ほら…管制課の…同期の」「クレアさんですか!?」


 気付いてなかったんかい!


「白鳥ってのは優雅に水面を進んでいるように見えるだろう?けど水の下じゃ必死に水をかいているんだ。いろいろ無理してるのさ、あの白鳥さんは。」


 クレアのあだ名が白鳥である理由をタナベに尋ねられた時のギガルト先生の答え。繊細な人間観察の一端を見せつける良い台詞。けど、結構意地の悪い見方ではある。本人には理由を言えないな、これは。



「使用済み核燃料や産業廃棄物を宇宙に捨てていく連中だ。」「単に捨てるだけだとセンサーに引っかかるからな。だから、ああして一つのデブリに見えるようにくっつけているんだ。」


 不法投棄の宇宙版。宇宙の不法投棄は人命に関わるので「懲役20年」(投棄集団リーダーの発言より)以上とかなりリスキーな犯罪。支出だって馬鹿にならんだろうし、地球の大企業がバックにいたりするんだろうか。


「あほがあああああああああ!!!」


 「悪のデブリ屋」の攻撃でエアノズルが破壊され、大量のエアの噴出によって、真空に吹っ飛ばされるギガルト先生。あっさり壊れたってことは案外起こりやすい事態なんだろう。エアノズルを武器として使用するデメリットを念頭におけなかった先生のミス?この辺は衰えなのかな?


「全員抵抗はやめろ。これ以上の抵抗は我々に武器使用の権限を与えることになる。」

 軌道保安庁の巡視船、到着。


「よろしく!ハキム・アシュミードだ!」


<初登場キャラ>

ハキム(ハキム・アシュミード。軌道保安庁保安隊隊長。)


 ハキム、さわやかにハチマキに挨拶。アニメ版ではギガルト先生の弟子、という設定で、ハチマキの弟弟子、ってことに。


「ありがとう『エンジェル』。」


 命名!エンジェル!…というわけで、タナベのあだ名(ギガルト先生専用)が決定。
 初めて聞いたときは、俺の頭の中で「ざわ…ざわ…」という擬音が起きましたよ←非道い。


 そう命名した理由は分からずじまいだけど、死を覚悟したときに助けにきてくれたからそう見えた、ってな感じの理由なのではないかと思う。今回のタナベは比較的欠点がない、というか、彼女の親父殺し的な面がよく出ていたのではないか。ギガルトとの相性が比較的良好なのと、彼女がハチマキを理解してくれていることで、ハチマキにとってのエンジェルになれる、という意味もあるのかな?



「ガンだよ。」
「もう、治らないところまできている。」


 命名直後に喀血。理由をタナベにうち明ける先生。宇宙はいつだって酷薄だ。



●雑感

 ラブコメとシリアスが交錯する、食い合わせが人を選ぶ話。今回は、久しぶりにタナベの良い面が出ていた感あり。タナベはギガルトみたいな男に弱いのか?タイトルの「心のこり」は、ラストを見て「なるほど」と思う。