男の魂に火をつけろ!の映画テン年代ベストテンに参加します

参加します。
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映画テン年代ベストテン

1位:「これは映画ではない
2位:「新感染/ファイナル・エクスプレス」
3位:「この世界の片隅に
4位:「花とアリス殺人事件」
5位:「サバイバルファミリー」
6位:「かぐや姫の物語
7位:「バーフバリ 王の帰還
8位:「悪女 AKUJO」
9位:「アベンジャーズ
10位:「ジャージー・ボーイズ

「ジャージーボーイズ」

 テン年代中ごろから、自分の中において「ミュージカルブーム」のようなものが起きたというか、ミュージカルの「楽しさ」に目覚めたようなところがあって、その先鞭をつけてくれたのが「ジャージー・ボーイズ」だと思う。「ボヘミアン・ラプソディ」の応援上映にあししげく通うようになったり、「グレイテスト・ショーマン」を繰り返し見てしまったり、とにかくミュージカル映画を何度も何度もいつくしむように見るようになったのは私の中で事件でした。
 「ジャージー・ボーイズ」はとにかく、「君の瞳に恋してる」からのロックの殿堂での再会、そしてフィナーレへとつなぐシーンで毎回号泣してます。

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アベンジャーズ

 アメコミ映画枠ということで「アベンジャーズ」。もちろん素晴らしい締めくくりを迎えた「エンドゲーム」もいいんだけど、やっぱりなんていうのかな、この「布石」というかこの「プロジェクト」の成功がなければ、MCUの成功もなかったこと、そしてとにかく自分の映画人生の中での、「事件」級のインパクトという点においては第1作になってしまう。「こんな映画が作れるんだ!作っていいんだ!」という衝撃!映画の「可能性」を大きく押し広げ、映画の「定義」まで揺るがした。その影響力はこの第1作の成功から始まった。それがすごいと思います。

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「悪女/AKUJO」

悪女/AKUJO [Blu-ray]

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 日本でもリメイクされた「殺人の告白」というとんでもない傑作でデビューしたチョン・ビョンギル監督が世界に放つ、壮絶暗黒エモアクション。とにかく開幕アクションで度肝を抜かれ、気おされたまま激情と悲哀の物語に突入する。彼女が「完成」したとき、最も悲しい戦いが幕を開ける。その壮絶さ。「とんでもないアクションに始まりとんでもないアクションに終わる」映画でありながら、胸に落ちるは爽快感とは程遠い切ない痛み。この後味を含めて、この映画に完全にノックアウトされたのでした。



「バーフバリ」

バーフバリ2 王の凱旋 [Blu-ray]

バーフバリ2 王の凱旋 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: 株式会社ツイン
  • 発売日: 2018/02/21
  • メディア: Blu-ray

インドからやってきた映画の化け物。それが「バーフバリ」。それまでの映画の概念を大きく揺るがし、自分を含む映画ファンがこぞって熱狂した、存在自体が「事件」ともいえるとんでもない作品でした。とにかく映画館で見なければいけない映画という意味では他の追随を許さない、応援上映の盛り上がりも、今思い返しても異常というべきもので、見る「活力剤」ともいうべきものでした。映画ってこんなすごいんだ!と肌で感じさせられた映画でした。

 

かぐや姫の物語

かぐや姫の物語 [Blu-ray]

かぐや姫の物語 [Blu-ray]

 テン年代高畑勲という天才がこの世を去ったという意味で重要であり、そしてその製作姿勢に我々観客が、そして何よりも映画にかかわったすべての方々が戦慄したという意味で、この映画はまさに事件でした。齢70を越え、80が手に届く年齢でさえなお、アニメーション表現の新たな地平を切り開き、周りを困惑させ、製作期間を引き延ばし、湯水のごとく製作費をふくらませながら、いつ作業が終わるともしれない映画を作り続け、そして公開されたその映画はまさに圧巻。これが遺作になってしまうとはとても思えないエネルギーに満ちたものでした。その生に畏怖し、その死を悼みながら、わたしはついに作られなかった念願の企画「平家物語」に思いを馳せてしまうのです。
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「サバイバルファミリー」

サバイバルファミリー Blu-ray

サバイバルファミリー Blu-ray

 毎年年間ベストテンを出している当ブログですが、テン年代、我が年間ベストには常連監督がいらっしゃいます。それこそ誰あろう矢口史靖監督であります。そういう存在が自分にいることもまた「事件」でありましょう。日本を代表する喜劇監督であり、コメディでなにを表現できるかをつねに突き詰める矢口監督の姿勢は首尾一貫しており、題材は千差万別、それがたとえ極限のシチュエーションであろうとも一切ブレがないことを証明した大傑作こそが本作であります。
 「サバイバルと銘打ってるのに死がない」と言う野暮な批判を目にした時は「この映画のなにを見とるんじゃ!」と激昂した私です。そんなの「戦場の兵士の戦闘を描かなきゃ戦争映画じゃない!」って言うくらい間抜けな話だ。例えリアルにシミュレートされた死と隣り合わせの世界であっても「人間性と笑い」を手放さない。そんな軽やかで強靭な矢口監督の意志を本作からは感じるのです。


花とアリス殺人事件」

花とアリス殺人事件 [Blu-ray]

花とアリス殺人事件 [Blu-ray]

 近年見たアニメ映画の中でいちばんの「事件」でした。岩井俊二監督が見せる実写映画さながらの繊細なカメラワークで演出されたロトスコープアニメーションは、岩井俊二の実写の制約すら越えたイマジネーションの具現化とアニメーションとしても未知のカメラワークが融合し、どこかで見たようで誰も見たことがない映画になってると思います。お話はあくまで「花とアリス」の前日譚。2人の少女の細やかな機微と様々な感情をすくいつつ、アニメ表現の可能性を押し広げる傑作だと思います。テン年代で一番見てる映画かもしれません。

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この世界の片隅に

この世界の片隅に [Blu-ray]

この世界の片隅に [Blu-ray]

 見終わった時の「泣くでもなく、感動したという言葉でもなく、ただただ静かに衝撃を受けた」という感覚。「重いパンチ」を喰らったように。しばらく心が酩酊して立ち上がれないような、そんな体験は初めてだった。ヒロイン・すずさんの生活と、確実に動いていく歴史(世界)との距離。遠く向こう側にありながら、確実にそこにある。僕らはそれをより深く知っていかねばならない。この映画だけでは終わらない、「片隅」から見える、その世界の広がり、そこに続く現在までの道。そんな広がりを感じさせる映画でした。


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「新感染/ファイナル・エクスプレス」

新感染 ファイナル・エクスプレス [Blu-ray]

新感染 ファイナル・エクスプレス [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: 株式会社ツイン
  • 発売日: 2018/01/24
  • メディア: Blu-ray
 映画というものがこれほどの豊かさ、そして恐ろしさをを持っているものか。ヨン・サンホ監督の登場はまさにテン年代を象徴する出来事であるとすら思っています。「新感染」の圧倒的娯楽性と深い眼差しに裏打ちされた人間描写。人間というものの、善悪などという物差しを超えて、極限状態の中で「選び取るもの」を描いてしまうヨン・サンホ監督の苛烈さ、容赦なさ。それはまさに自分が「ここにいたならばどうしているか」という喉元にナイフを突きつけるが如き鋭さで、観客の心をスクリーンから目を逸らさせない。そんな映画です。

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これは映画ではない

これは映画ではない [DVD]

これは映画ではない [DVD]

 映画とはなにか。映画をなぜ撮るのか。イランの巨匠、ジャファール・パナヒ監督が突きつけた問いは、テン年代最大の衝撃でした。撮りたい話はある。撮りたい絵もある。しかし、映画を撮る自由だけがない。軟禁状態である、その中で映画を撮ろうとするジャファール・パナヒ監督の、そのiPhoneを前に悪戦苦闘する姿は、僕の心に深い爪痕を残す。傑作「オフサイド・ガールズ」を撮った後、政治的に「映画を撮る」事を禁じられていく。そんなイランの閉鎖的状況の中でも抗い続けるパナヒ監督は、今も様々な形で新作を作り続けている。「これは映画ではない」という。この映画が「存在」するということが、映画というジャンルは決して死なないという、力強い宣言にも思えてくるのである。

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