「モンスターズ・ユニバーシティ」
原題 Monsters University
監督:ダン・スキャンロン
製作:コーリー・レイ
脚本:ロバート・L・ベアード/ダニエル・ガーソン/ダン・スキャンロン
「モンスターズ・インク」のマイクとサリーは、実は大学の同窓で、怖がらせ屋目指して青春を過ごしていました、という話。
うん。うーん。まあ、ピクサーなんで、作り込みはさすがだし、話もそこそこ面白かったんだけど。どのくらい面白かったかというと「カーズ2」よりはそつなく作ってある、というくらいの面白さ。
ただね。
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「モンスターズ・インク」の結末をすでに知ってるとさー、この映画の「モンスターズ・インク」の怖がらせ屋になるために頑張る僕たち、というのは、例えば「風雲児たち」なんかで描かれる、「解体新書」に取り組む「前野良沢と杉田玄白」が実は「これからの時代は蘭学なのに、若い頃、僕たちは一生懸命エリート(御典医)になるために漢方医を目指してました」みたいな間抜けな話に見えるのよね。
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「モンスターズ・インク」が面白かったのは、ふたりのモンスターがひとりの少女との出会いによって、結果世界の仕組み自体に革命を起こしてしまうことだったわけなのだけど。
で、本作は、マイクとサリーが、大学の同窓で、お互いに触発されながら、一生懸命頑張って、怖がらせ屋というモンスター界のエリート目指して成長していくこうとする、青春物語なんだけど。
たとえばかつて怖がらせ屋として伝説になった学長さんへの畏怖を感じたり、モンスターズ・インクで働く数々の英雄のみなさんをあこがれの目で見る二人を見ていて、でも彼らの世界に待つ変化を知ってるとさ、スクリーンを見ながら胸の奥で「でも、この二人がエネルギー供給の仕組みを変えて、怖がらせ屋の功績はリセットされちゃうんですけどね・・・」と思ってしまうのですよ。だから、この「こわがらせ屋としての成長」こそが物語のカタルシスとして設定されてるわけですけど、心の奥で「でも・・・なんだよな」と思ってしまうために、二人が紆余曲折を経て怖がらせ屋になるラストを見ても、心の底からカタルシスを得られなかったんですね。
あと一言。大学というよりはお笑い養成学校とか、せめて大学の芸術学科くらいの扱いの方がしっくり来る気がするのですよね。で、そこを中退した二人がやがで、伝説となる。
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後に、彼らは最強の怖がらせ&お●いコンビになるわけで。この作品で一番神がかってるのは日本語吹き替えのキャスティングだと思う。(★★★)