「LOOPER/ルーパー」
原題:Looper
監督・脚本:ライアン・ジョンソン
30年後の未来から転送されてくる標的を殺して金を稼ぐ殺し屋「ルーパー」を生業とする青年・ジョーが、「未来の自分を殺さなければならない」という職業上の掟があるにも関わらず、未来の自分を殺し損ねることから、やがて一人の少年をめぐり、未来の自分と対決することになるSFアクション。
前評判の高さから迷わず見たんですけれども、思ったよりも底抜けSF度が強い作品。
いや、嫌いじゃないというか好きなんですけど、正統派の大傑作!というよりはなんか、脚本の構成が練られてるB級SF映画の秀作。この映画では青年・ジョーをジョセフ・ゴードン=レヴィット、老いたジョーをブルース・ウィリスという、旬の若手俳優とレジェンドアクション俳優のW主演なんですけど、たぶんこの映画に一番適任なのはニコラス・ケイジで間違いない。ま、ニコラス・ケイジが主演したらここまで前評判高くならなかった気がするんですけどね。つーかニコラスがもう少し若かったなら、絶対オールド&ヤングのジョーを二役こなしただろ!この映画が大傑作というなら「NEXT」だってもっと大評判になっていいはずだよなあ、とか思った。いや、大好きなんです「NEXT」。
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単純に言えばタイムリープものとしては割と手垢のついたもので構成されている作品だし、その割にルールに関してはタイムパラドックスの扱いも含めかなりテキトーなので肩すかし食らうことが頻発する。それこそ今の自分と未来の自分が出会うとか、我々藤子不二雄チルドレンたる日本人にしてみたら、それこそやりつくした感すらあるじゃんか。主人公の若い時代の年代が2040年代という、結構先の未来で、そこに超能力の要素まで加味されてくるに至って、ややこしいことこの上ないんだけど、落としどころを見て気づいた。この映画のテーマって。
(以下軽くネタバレ)
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週刊少年サンデーで連載中の椎名高志先生の「絶対可憐チルドレン」と同じなんじゃないのか。
潜在的に強大な超能力を持った人が、子供時代にどのような経験をするかで未来が決定するという。しかもこれから、大超能力時代が始まる予兆すらあるという描かれ方じゃない?とすると、この終わり方でハッピーエンドってことにこの映画ではなってるけど、これから先、また違う形で能力者への差別などの問題が出てくるかもだし、これで未来は救われたぜ!とはとても思えない根深い問題が丸投げのまま、映画が終わった気もするですよね。
ま、そんな瑕瑾を含めて魅力のある作品ですけど、この映画の最大の失敗は主演をニコラス・ケイジにしなかったことですね!<もうええ(★★★★)
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