「ローグ・アサシン」
原題:War
監督:フィリップ・G・アトウェル
同僚を殺されたFBI捜査官。その同僚を殺したのは一人の伝説的殺し屋。その名はローグ。彼は「ヤクザ」に依頼を受け、同僚一家を皆殺しにしたのだ。事件から3年。ローグは動き出す。
いやもう、実はかなり楽しみにしていて。
俺的にはルイ・レテリエ作品のツー・トップw、B級アクション映画界の巨頭・ジェイソン・ステイサム兄貴とリンチェイ先生が夢の共演、しかも、脇にデヴォン青木!石橋凌!なんつったらもう。というB級映画の至宝を惜しげもなく投入している時点で、俺にとってほぼ理想的キャスティングで、「絶対見に行く!」と決めていた。もう、超B級映画を期待するじゃないですか。もうわっくわくですよ。いざ鑑賞したわけですが・・・
・・・・あ、あっれー?
こんなはずじゃ・・・。
うん。うーーーーん。
いや!デヴォン様はいいんですよ、別に。例え吹き替えでも。サラダ食べさせたい。速攻買ってきます。石橋凌も、まあいいとして。でも・・なああ。
あー、これって、基本的にサスペンスの映画なのね。なんか浦沢直樹的な。なので、全編シリアスで押し通してるんだけど、うん。なんだろーな。この背伸び感。どうも単純に、監督の力量がね。いまひとつなため、どうもキレがない。
なんちゃって日本人描写で笑わせようとしているらしい、という説をよく聞くけど、正直なところ、こういうのって狙ってやるもんじゃないと思うし、俺から見ると狙ってるかどうか微妙に見えるんですけど。むしろ意識的にやってるというよりは、「頑張ってこのくらいでした」という感じなのだよな。大して面白くもないし。
正直、この映画の題材を突き詰めれば「ボーン・スプレマシー」級の傑作になったかもしらんし、荒唐無稽に攻めればジョン・ウー的男気的傑作になったかもしらんし、多国籍なギャップを楽しむ「キル・ビル」系の傑作にもなったかもしらんののだけど、演出・脚本ともに残念なために、どれにもなれてない。アクションもあまり目を引くものがないし。
なので基本的には謎の殺し屋が抗争を続ける両方の組織内部に入り込み、裏切りに裏切りを重ねて戦争をけしかけてる、という過程とともに、それを追う捜査官はやがて驚愕の事実を知ることになる。・・・という話なんだが。正直なところ、そのオチってのがなああああ・・・・。
うん。なんだろう。あれか?アメリカの監察医ってザルなのか?しかもFBI捜査官が殺されたってのなら、CSIとか動きそうなものじゃん。それをなあ・・・・。おまえ、そりゃ通じないだろよ。しかもリンチェイ様なんかキャステイングしたなら、もともと同僚が強くなきゃいけないし、何より、伝説の殺し屋、弱いじゃん・・・みたいな。さりげに非道だし、どこに共感していいかわからんよ。
つーか、実は●●でした、ってそんな役リンチェイ様にやらすな!そらアクション抑えめにもなるわな。わざわざ手枷足枷つけてどうすんだよ。こういうのを「宝の持ち腐れ」っていうんだよ。
真剣に考えちゃいかんのだろうけど、全体的に抑えめな演出が完全に裏目に出ている。「ちゃんちゃん♪」な感じにすらならずに、完全にすべってる。いっそ、ダークヒーロー的に、復讐しまくる映画にした方がマシだったんでは・・・。これじゃせっかくのキャスティングを殺す結果にしかなってない。
もっと、何をしたいのかはっきりさせて、映画作れや、と思った。ちょっと期待しすぎたのもあるが、キャスティングの妙を殺した大罪はでかすぎるので★2つ。(★★)