虚馬ダイアリー

「窓の外」のブログ

「蒼き狼/地果て海尽きるまで」

toshi202007-03-12

監督:澤井信一郎
製作:角川春樹千葉龍平
脚本:中島丈博丸山昇一


 いやあ・・・。ルックは嫌いじゃないんですよ。ぴしっと映画らしい映画、大作らしい大作という意見にも同意はするけれども。


 モンゴルでやりたい放題。いくらなんでも角川先生、自由すぎる。俺がモンゴル人なら確実に★ひとつ。


 「どろろ」を見ていてもなんとなく思ってたけど、舞台を広大にすればするほど、日本人って異邦人に見えるんですよね。百鬼丸はそもそも生まれ落ちた時から異邦人的な要素を持っている人物だから、意外となじんでいたんだけどこっちは・・・・英雄・チンギス・ハーンですよ?
 広大な大地に日本人の集団が・・・というのでも違和感あるのに、そんな人間たちが後にその大地を征服する英雄・チンギス・ハーン率いる軍団です。と言われても。やっぱり。もう。違う。
 反町隆史反町隆史にしか見えない、というのが一番のネックで。しかも中島丈博先生の手になるホンは基本、昼ドラレベルの愛憎劇をモンゴルの大地で展開するというと、もう、これ出来合いのファンタジーだ、くらいに思わないととてもじゃないけど、笑いをこらえきれない。


 なんとなく見ていて思い出したのは日テレでやってた「日本人の好きな偉人ベスト100」とかいう特番。その中にランクインした偉人を、その偉人が好きだと公言する芸能人が、その偉人の数々の逸話を演じるというやつで、外国の偉人だろうが、似てなかろうが、とにかく思い入れたっぷりに演じる、という趣旨の番組だけど、それの予算をばんばんつぎ込んだスペシャルバージョン、と気持ちを切り替えて見たら、割と楽しめましたけど。
 つまりこの映画は、「角川先生の好きな偉人ベスト1」という特番バラエティである、と。まあ、そのくらいに思っておくと、その違和感に納得しつつ、お金のかかり具合にもいい具合に感動できるかもしれない。(★★)