「手紙」
監督: 生野滋朗 原作: 東野圭吾
加害者を兄に持った青年の流転の人生を描く。
もう、ただでさえテーマが重いのに、さっすが元「金八先生」演出家の作品だけあって、のっけからもう重い。重い話を重く地味に演出。主人公が不当な扱いに慣れて、被害者根性が出てくる辺りの描き方とか、リアルな部分もあるのだが、ドラマとしての盛り上げどころが8割方「説教」というのはさすがにいかがなものか、という気がしないでもない。
あと、感情の高ぶりを食器を投げるとかちゃぶ台返しとか、やたらと食べ物や物を粗末にする描写で表現したりとか、小田和正の「言葉にできない」の使い方とか、もうベッタベタで。
いつの映画だ。ダサい。クサい。その上重い。
そんな映画が最も似合う若手女優。それが沢尻エリカ。ちっきしょおおおお!彼女がこういう映画に出るだけですべてが許せる俺が憎い。本性が「男ットコ前」って知ってても萌えるんだから筋金入りだよな。
そんな彼女が無愛想を貫く主人公にひたすらちょっかい出してくる。うーはーありえねえ。もう最初のメガネっ娘っぷりがもう堂に入りすぎていて、「だまされてると知っていても、いい」って思ってる俺がいて。*1
渋谷に来てからメガネハズしちゃって化粧が濃くなるので「ああー」などと嘆息していたのだが、時が移りすぎて主人公の奥さんになってからが、彼女の本領だった。主人公に負けぬ不幸な生い立ちな彼女は、どんなに不当な扱いを受けても「逃げへん!」という、その台詞の男ットコ前っぷり。やばい。惚れそう。嫁に欲しい<リアルすぎる発言。
というわけで、彼女が説教する場面が、全然退屈じゃなくて、むしろ快感だったりして<マゾか。キャスティングでこれほど救われることもあるんだな、という証左ではないだろうか。俺が沢尻エリカ萌えなだけですか、そうですか。(★★★)