「まじめにふまじめ かいけつゾロリ なぞのお宝大さくせん」

監督：亀垣一

　意外や意外。まったくノーマークだった本作が実は一番面白かった。

　ストーリーは、お父さんの形見のペンダントを持って冒険する女の子を助けたことで、一緒に遺跡を冒険することになったゾロリ一行、というラピュタとインディ・ジョーンズを適当に混ぜてみました的王道な話なんだが、主役・ゾロリを演じる山寺宏一の話術に依った演出が大正解。話芸の使い方が堂に入ってることもあり、これがまたなかなか楽しい。俺は原作もテレビシリーズも知らないんだけど、「ケロロ軍曹」とはちがい、腰の軽い演出とメタなギャグ満載でゲラゲラ笑った。ドルビーサラウンドネタとか、いきなり終わりネタなどの映画館でしか通用しないギャグが多いのも好感。

　実は同時上映ということもあり、「ケロロ軍曹」とキャラをクロスオーバー出演させるという演出をやっているのだが、こちらの方が、それを有効にシナリオに組み込んでたのも意外。ヒロインもこっちのほうが可愛いらしいし、「ケロロのにぎやかし」という気楽さも手伝ってか、なかなかに愉快な娯楽作に仕上がっている。これから先、劇場用アニメ化されるかは怪しいのだが、なかなか拾いものの佳作でありました。（★★★）