虚馬ダイアリー

「窓の外」のブログ

「ワンピース/カラクリ城のメカ巨兵」

toshi202006-03-26

監督:宇田鋼之介


 去年、細田守監督作で、ファンから賛否両論だった本シリーズ。俺も「あんなんおれらのルフィじゃないやい」的感想を書いた口だが、本作では、テレビシリーズのディレクターを務める宇田監督が登板。脚本は前作と同じ伊藤正宏氏。


 しっかしまあ、同じ脚本家で同じ題材やってるはずなのに、なんでこうも作品の質も話も変わるかな。作画的にも動画的にも前作の方が上。この辺は毎度不思議なんだが、スタッフ自体はそんなに変わってないはずなのに、監督次第でつまらなくもおもしろくもなるのが劇場用アニメの世界なんだな、と痛感。宇田監督はアニメ映画というレベルでは凡才。その点では、去年の細田監督が圧倒的すぎた。
 まあ、話的にはイベントが多くて退屈というほどではなかったんだが、テレビで見た方が落ち着いてみられそうなギャグ満載。ワンピースのアニメって基本的に遠景のキャラがボケて、近景のキャラが突っ込む、というパターンが多いんだが、それをそのまんま映画館でやると見辛くってしょーがない。しかもワンピース特有の「空気読まないボケ」を連発するもんだから、いらんところで妙に話が停滞するのもちょっと。つーか、ギャグがうっとおしい。


 ゲストキャラを演じる稲垣吾郎は、悪のボスでありながらちょっとナイーブな若者というキャラクターのニュアンスが面白い感じで出ているとは思ったが、基本的に悪人演技がわざとらしく聞こえるのが難点。つーか、声的にいい人役しか出来なさげ。極楽とんぼの二人は、まあ、それなりに器用にこなしてた感あり。


 正直言ってテレビのスペシャルでも十分じゃねーの的出来映え。話としては空島編から、ウォーターセブン編の間、ということもあり、原作で登場した「ギア」の原型が登場したりした。まあ、そのくらいかな、みどころは。(★★)