虚馬ダイアリー

「窓の外」のブログ

「イエスタデイ、ワンスモア」

toshi202005-11-18

原題:龍鳳
監督:ジョニー・トー

 豪華な暮らしを続ける富豪のトウ夫妻。実はその正体は高級品専門の泥棒カップル。しかしある日、トウ夫人は夫から理由もないまま一方的に突然の離婚を言い渡される。
 2年後、彼女は資産家の息子からプロポーズされていた。彼女は男の母親の宝石目当てに結婚を承諾し、銀行から宝石が出て来たところを盗み出そうとする。しかしまんまと宝石を手に入れたのは、元・夫のトウだった。


 この映画に真面目に感動している人、いそうで嫌なんだが、これ、バカ話じゃなかろうか。


 離婚した金持ち盗癖持ちの夫婦の一つのネックレスを巡る駆け引きを描いているんだけど、かなり回りくどい。つーか、なんでそこまでするのかがラストで判明するんだけど、正直、荒唐無稽もいいとこだ。ま、面白ければ荒唐無稽結構な私だが、正直目の前のふたりに興味を引かれないので、金持ちの戯れ言を真面目に拝聴している気になってきたりする。
 大体、わざと盗まれる資産家夫人とか、同じ方法で何度も盗まれるおぼっちゃんとか、カマっぽいデブ探偵二人組とか、美味しいキャラクターもいるのに、あんまり笑えないのがなー。車と競争として勝て、と言われて必死に勝とうとする、アンディ・ラウに雇われた男の姿が、コメディとは全然関係ないところで笑えたくらいで。


 こういうバカ話をあくまでスタイリッシュに撮り上げてしまうのも、なんつーか、全然馬鹿っぽく見えないのがジョニー・トー監督の長所であり短所だなと思う。金持ちの本気な遊び、という感じがもう少しでたら良かったのだが、どうも余裕ぶっこいてじゃれ合ってる姿の方が印象深くて、本気に見えないのが辛かった。(★★)


公式サイト:http://www.pan-dora.co.jp/andy/