虚馬ダイアリー

「窓の外」のブログ

「マダガスカル」

toshi202005-08-26



公式ページ


 「ここって最低。


 いやあ、「皇帝ペンギン」に続く見事なペンギン映画。


 ま、一応都会の動物園生まれの動物たちの、野生の掟との出逢いを描いた映画であり、弱肉強食の掟から肉食獣に喰われる一方のメガネサルたちが「ライオン雇って野伏せり突っ殺すだ!」「やるべす!」とか言ってたら、都会のライオンが野生に目覚めて、襲う側に回りそうになっちゃったからさあ大変…という黒澤もどきな話でもある。
 どうも俺は、ドリームワークスの、ディズニーに対するアンチテーゼとしての、リアル系の擬人化センスとは相性悪くて。今回もコミカルとリアルとのバランスがちぐはぐな世界観がなんともはや…という感があるのだけれど、ただ、「マダガスカル」に至って、ようやくドリームワークスもカートゥーンを動かす悦びに目覚めてきている気がする。例えばメルマンのキリンとは思えぬ多彩な動きや、カバのグロリアの軽やかな動き、そして…4匹のペンギンである。


 ストーリーを牽引するのは、実はこのペンギンたちで、彼らの行動力が一連の騒動の火種になっている。彼らは南極を目指して動物園を脱走したらシマウマのマーティに見つかってしまう。動物園の生活に飽き飽きしていたマーティは彼らを見て、外の世界に憧れを抱き、つい、外へ出てしまったのだ。そんな彼を連れ戻そうと街に出たライオンのアレックス、前述のメルマン、グロリアの3匹。当然街はパニック。捕まった彼らは、動物愛護団体の(要らぬ)親切な横やりで野生の世界へと帰されてしまうのだ。あと、なぜか、ペンギンたちも一緒に。
 彼らはアフリカに送還されそうになると知るや、タンカーを占拠。進路を南極向けて、しっかりたどり着いたあげく、荒涼としたそれをみて、さっさと引き返しちまうのだ。すげえ。凄い行動力。


 そしてなにより、彼らの動きは、どのキャラクターよりも輝いている。チームワークも完璧で、見事に主演の4人を喰ってしまっている。クライマックスにまで顔を出し活躍するに至って、ますます「彼ら」のための映画と確信してしまう。愛らしいペンギンの姿「だけ」を見たいなら、「皇帝ペンギン」より「マダガスカル」を見ろ!!と言っておこう。(★★★)