「夕凪の街 桜の国」、と俺。
今日、俺は西葛西でバスを待っていた。
門前仲町の近くにある職場から、ゆったりと歩いて西葛西までやってきて、そこから都営新宿線の船堀駅に向かおうとしていた。バスに乗ろうとしてから、財布には1万円札しかないことに気付き、運転手の方にその旨伝え「崩せますか?」と聞いたのだが、持ち合わせがなく崩せないと言う。急いでるわけでもないので、どこか崩せるところはないか探し始めた俺の目に止まったのが、本屋だった。
なんか、本を買おうかと思っていたわけではないが、雑誌でも見繕っておこうぐらいの気持ちはあった。しかし、そこに「夕凪の街 桜の国」が置いてあった。小さな本屋であったが、平積みでおいてある。手塚治虫文化賞で賞を頂いていたのは知っていたんで、購入。
こうして、俺は両替する代わりに、その本を買ったのでした。
で、俺は今、その本でぼろ泣きしているのでした。
こんな俺でごめんなさい。