虚馬ダイアリー

「窓の外」のブログ

逆境姉弟

toshi202005-05-22



 これが…これが「不幸せ」だ!



 というわけで、「不幸せ」という名の逆境が次々と襲うダークファンタジーレモニー・スニケットの世にも不幸せな物語」を見てきました。
 ティム・バートン組スタッフが多数参加していることにも代表されるように演出や世界観はバートンのようなダークなテイストですが、ソニン似のたっくましい少女や、端正な美少年の長男坊、異次元のうめき声で姉弟と会話する末娘の赤ん坊が、次々と不幸な目に遭っては克服していく物語は、不思議と「千と千尋の神隠し」を想起させる。強いて言うなら「ライト・ダーク」系ファンタジーと言ったところ?
 不幸せと言っても基本的にオラフ伯爵という不死身の奇人に付け狙われた3人が、自力で乗り越えられる程度の危機に挑んでいく展開が連なっている構成。生命が脅かされるのは周りの大人たちばっかりで、3人は基本的に怪我すらしない。危機また危機をゲーム感覚で楽しめるのがこの映画の良さであり、欠点でもある。


 とにかく絵づくりが凝りに凝ってて、目で楽しい映画。オープニングがいきなりパペットアニメ、エンディングのスタッフロールも私お気に入りのネクサスプロダクションが作っているので、頭の先からしっぽの先まであんこがつまってる感じ。ハリポタより短い上映時間だけれども、無駄がないためボリュームは結構たっぷりに感じる。娯楽映画としてのサービス精神はこちらに軍配を上げたい。


 ただ、オラフを演じるジム・キャリーがこの映画の難点で、しばらく見ていると飽きてきて、うざくてうざくて仕方がなくなる。絵づくりだけでも楽しいのだから、もうちょい胃にもたれない役者を配役してほしかったなあ。(★★★)


【関連】ネクサス・プロダクション
http://www.nexusanimation.com/main.html