虚馬ダイアリー

「窓の外」のブログ

「DOA/デッド・オア・アライブ」

toshi202007-02-21

原題:DOA: Dead or Alive
監督: コーリー・ユン


 この映画を一口で説明するならば、ですよ。


 映画が終わって、劇場を出るじゃないですか。で、有楽町をぶらっと歩いた後、アキバでちょこっと買い物をして、で本屋をぶらついて雑誌を何冊か買って、で、電車に揺られて家に着くまでが、まあ2時間ちょいくらいだとしましょう。そして、この映画について感想でも書こうかな、と思い、この映画の筋書きを思いだそうとするじゃないですか。


 ・・・ものの見事にスコーンとどんなストーリーだったか、忘れている、という。


 まあ、そんな映画だと思ってもらって差し支えないと思う。とりあえずなんか水着の姉ちゃんがおっぱい揺らしながらバレーボールしたり、殴り合ったりする原作のゲームの精神に非常に忠実な*1映画、で説明終わり、でもいいんですが、ええまあ。


 えーとですね。順序立てて思い出してみると。
 いつの時代のどこの世界だか知らないけれど、中国の宮殿みたいなところに住む日本の忍者のお姫様がいて、名前をかすみ姫というデヴォン青木で。この国の一番の重臣リュウ・ハヤブサという名のケイン・コスギというですね、ぜってーてめえら筋肉番付とかSASUKEとかで階級決めてんだろこのヤロ的な国があって(しつこいよーですが、日本に)。で、他に王族もいないんで、国を出られると困るとケインハヤブサは言うんだけど、かすみ姫は抜け忍*2になっても絶対行方不明のお兄様を捜すと言って聞かない。
 でまあ、結局、なんか紫色の髪のくノ一との小競り合いありーの、家臣の頭がしがし踏みつけながら国を脱出するというよくわかんないアクションシーンが終わるとですね、どこからともなく手裏剣みたいな物体が飛んできて、それがDOAというナゾのとトーナメントの招待状なんですな。


 姫のお兄様はですな、このDOAというナゾの大会に参加して行方不明になってたんですな、でまあ、姫が国を出た途端、招待状が届くわけです。この大会にでやがれと。全く知らない奴から。


 もう、乱暴にもほどがあるよね、な導入なんだけど、この兄捜しの話が映画のメインストーリーなんです。基本。


 んで、その他にマッチョな水着の姉ちゃんが海賊相手に暴れたり、なんか半裸の姉ちゃんが警官相手に暴れたりした後に、やっぱり同じように手裏剣みたいな招待状がどこからともなく飛んできて、彼女らの分かるところに突き刺さる、というシーンがキャラクターごとにあるわけですけれども。
 そういう、ひとしきり冒頭で暴れる見せ場のシーンというのがですね。女性のキャラクターにしかないんです、この映画。他にも野郎キャラクターもいるわけですけど、そう言う奴らはですね、なんか知んねーけどいつの間にか出場が決まってて、出場資格者の飛行機に乗ってるという。すげえぞんざいな感じで登場するんだけれども。


 で、この大会がなんで出来たか、というと、なんとかいう博士が研究のために始めたトーナメントで。一つの島で気ままに過ごしてもらって、だけど、腕時計みたいなものを付けられて、そこに対戦相手が出たら闘え、みたいな。で、好き勝手に運営者が、こいつとこいつなら楽しいんじゃねーの、的な感じで組み合わせを決めていくみたいな感じ。
 分かりやすく言えば「エアマスター」という漫画に出てくる、「深道ランキング」というイベントを100倍頭悪くした感じ、というか<基準がわかりにくい。


 でまあ、それぞれのキャラクターにはそれぞれ目的があって、みたいなストーリーはあるんだけれど、元が格闘ゲームなんで、まあ、ストーリー性はあってないような感じっつーか、いきあたりばったりでかなりテケトーなんですが、割とキャラクターが自分の欲望に忠実に動き回るんで、意外とキャラクターの動きを見落とすことがない、というところがこの映画の美点でしょうかね。
 意外とすっきりと楽しいB級なテイストが楽しめるわけですが、戦闘という戦闘がイベント臭いのがこの映画の欠点で、ゆずれないもののために魂と魂がぶつかる、という感じがなくて、ストーリーを続けるために戦闘を続けてるような軽さが、この映画の欠点でもあると同時に、ある種の魅力でもあるのかな、という気がします。


 まあ、監督が「トランスポーター」でスー・チーをエロエロに撮り上げたコーリー・ユンなんで、まあ、無意味に雨を降らせてキャットファイトさせる、という場面のエロさはなかなかのもんなので、まあ、そういうとこが必見の映画、ということですよ。(★★★)

*1:忠実なのはあくまで「精神」であって見た目は・・・大目にみてくれ。

*2:英語発音で*SHINOBI*が抜け忍と同義語になっててひっくり返った。