「マイアミ・バイス」
原題:Miami Vice
監督・脚本:マイケル・マン
公式サイト:http://www.miami-vice.jp/
潜入捜査官の話である。
うーむ。今年の夏は「つまらなくて寝る」ということがほとんどなく*1、映画に関しては大変充実した夏だったと思う。ま、おれは「ゲド戦記」ですら楽しんでしまう人間なのでお前が変わってるんじゃい、とか言われそうだけど。
だけど、その俺がこの映画で久々にこくっこくっと意識を失った。いや、この映画で退屈なのは、マイケル・マンの男と女のロマンスの場面で、はっきり言ってぜんぜん楽しくない。コン・リーが美しく撮れてないのはどういうわけだ、アジアの名花をなめてんのか、と思うほど、マン監督、ロマンス撮る能力がない。
困ったのはそれが物語の根幹になっているところで・・・。失敗。大失敗。コン・リーにフェロモンを感じなきゃ、潜入捜査官と敵組織幹部の危険な恋に説得力が生まれるわけがない。
ところが、男たち、女たちに銃を持たすと映画がぴしっと締まる。特に、同僚を誘拐した犯人グループを追いつめたときの、「撃てよ。起爆スイッチでうんぬん」とほざくチンピラに対して、女捜査官が「あなたは押せないわ。秒速なんたらメートルであなたの頭は吹っ飛び即死。押す前に意識が飛ぶわ」と切る啖呵は、笑っちゃうほどかっこいい。そして、銃声。その通り。お見事。しびれる。
わかりやすい。分かりやす過ぎる。マン監督、絶対潜入捜査官できねえw。銃撃戦はすごい。必見。ってそんなことわかってるんだよ。あんたがその点すごいのはわかったから、ドラマ・・・つーか「女性」もきちっと撮ってくれ。(★★)
*1:疲れていて意識を失うことはたまにあるけど