「イン・ザ・プール」(DVD)
監督:三木聡
実は結構気になってた映画で、見にいこうと思っていたのだが、終わってしまってた。
で、レンタルしてきたので、こうぼんやりみていたのだが。
やばいな。笑えない。波長が合わない。なーも感じない。面白がらせようとしているのはわかるが。
3人の登場人物がいる。一人は陰茎の勃起が止まらなくて、泌尿器科に相談するも、症例がないため原因がわからない。心因性かもしれぬ、ということで精神科に回される。一人は心配性がやや過剰になったルポライターの女性で、火をつけっぱなしにしてやしないか、とか、そういう心配が高じて家に帰ってしまい、それによって仕事に支障を来し始める。一人は一日一回のプールを日課としているが、仕事の忙しさと大会が開かれる関係でプールが使用できないなどの理由で、ストレスを募らせていく。
そんな、自分をどこか「異常」と認識している人々が、松尾スズキ演じる自分たちより変な精神科医に捕まり、なんか癒されちゃった「いい感じー」になっていく、という話なんだが、さて。
どうも話の組み立てのレベルでかなり無造作な映画で、なんか異様に「コマ切れ」の印象がある。ひとつひとつのシーンがつながらずに、いろんなコーナーで構成されたバラエティ番組を見ている感覚。なんか、テンションの低い「ココリコミラクルタイプ」みたいな(わかりにくい)。
ものすごくわかりやすい前振り、そして予想通りの出来事が起き、想定範囲内のリアクションが出てくる、というタイプの笑いの組み立て。なので、こういう体裁だとせめてテンションあげてくれないと場がもたないんだけど、ひたすらシュールに笑わそうとするもんだから、見ていて、笑いどころを見失う。つか、わからねーんだよ。どこで笑えってんだ。
あと、物語の核となるべき松尾スズキが、あまりにもこじんまりとした演技に終始してるのはなんでだ。もっと色々できるはずの人なのに。明らかに演出間違えてると思う。
話自体はつまらなくないはずなのに、バラエティの延長線上で映画作っている感じで、それがうまいこと映画として機能するならまだしも、どよーんと淀んだ感じになっているのは・・・。
あと、市川実日子は口に出して「がびーん」とかいうな。(★★)