「チキン・リトル」
原題:Chicken Little
監督:マーク・ディンダル
うわあ・・・。正直、やばいと思った。オープニングで(早いな)。
これは・・・。ディズニー、オールデジタル化計画、やめた方がいいんじゃねーか。
俺、この映画の監督の「ラマになった王様」という作品が好きなんで見に行ったのだ。で、こちらの期待通りの、パロディ満載のバカコメディだったんだが、こいつはちょっと、演出があまりにも、面白くない。序盤で、CGで出来た町並みの中でで、チキンリトルの大失敗な日常を描いているんだが、CGであることで、この監督の持ち味である、ぶっとんだギャグ、過剰なリアクションがちょっと固い。
実際、見ていて思ったんだが、なんのてらいもなく、CGでセルアニメそのまんまをやると、ここまで寒いのか、というのを肌で感じた。つーかこの作品ほど、2Dでみたい、と思ったアニメはない。
この監督、たしか、ワーナーから引き抜かれた人材だと記憶してるんだが、この人の持ち味はやはり、やわらかいカートゥーンの味があって生きるのだ。ところどころ、光るギャグはあるのだが、CGとはとことん相性がよくない、感じがした。
完全デジタル化の波の中で、アニメーターたちは自分たちの飯のタネをかけて、一からCGを覚え直して、この作品を完成させたという。その努力は買う。だが、その、ピクサーがどんどん演出の幅と、題材の広がりを見せ、ドリームワークスも徐々にディズニーコンプレックスから脱却していってる中で、ディズニーのこの立ち遅れっぷりは、ちょっと目を覆う。
まあ、ここまでやれたんだから、あとは演出家が育つだけ、というところなんだろうが、ジョン・ラセターをはじめ、才能ある演出家がガンガン輩出されてるピクサーに比べると、ちと立ち上がりがまずすぎないか、という気がしないでもない。(★★)