虚馬ダイアリー

「窓の外」のブログ

「奥様は魔女」

toshi202005-09-03




公式ページ


 恋愛に憧れてハリウッドにやってきた魔女・イザベル。彼女は、「奥様は魔女」リメイク版で「ダーリン」を演じる元・映画スターのジャックにスカウトされ、サマンサ役に大抜擢されてしまう。ジャックの熱心さに対してときめきを感じ、二つ返事でオーケーしたものの、彼が必死だったのは映画スターに返り咲くために、無名の女優を捜していたからで…。それを知ったイザベルは仕返しのために一計を案じるのだが、やがて二人は少しずつ惹かれあっていく。


 ってな話。


 いやー、なんで今更「奥様は魔女」なのかとか思っていたら、「奥様は魔女」のサマンサを本物の魔女が演じたら…?というシチュエーションコメディなんですな。意外なことに、これがなかなか快調。つーか、ロマコメ職人監督ノーラ・エフロンの本領とも言えるか。
 「奥様は魔女」自体はフィクションだけど、魔女は実在する、という設定が粋で、演出面でも、オリジナルで使われた魔法を特撮を使ってリファインしてさりげなく使ってみせる辺り、なかなか技あり。特に、イザベルの父親役・マイケル・ケインの登場シーンはいちいちスマートで惚れ惚れする。スーパーや、セットの背景などを使った合成もなかなかセンスがいい。


 で。


 この映画でびっくりしたこと。ヒロインが萌えキャラです。マジですか。
 ノーラ・エフロンの中では、魔女=世間知らずのお嬢様、という解釈らしいんですよ、これが。「ダーリン」を演じる役…を演じる(ややこしい)ウィル・フェレルはどっちかというと、ブサ系の駄目男キャラなのですが、そんな男に対していきなりときめきを感じたあげく、彼に裏切られた瞬間、ツンデレキャラに変身ですよ。マジですか。
 ずいぶんとトウの立った萌えキャラですが、主演のニコール・キッドマンはその有り得なさを、本人の非人間的な容貌で、玉砕スレスレで回避に成功。ニコールの堂に入ったブリッ子ぶり*1に、なんか素直に萌えかけてる俺がいましたよ。マジですか(俺が)


 しかし、その有り得なさこそが、この映画の肝であろう。不細工で駄目な僕に天使が降りてきた的ラブコメって感じですよ。まあ、その天使がニコール・キッドマンバツイチ)なんですが、いいですか?みなさん。いや、俺は全然構わないけれども。マジか馬鹿。



 まあ、そんなわけで、「奥様は魔女」というフィクションが「本物」になっていく過程を描いたラブコメファンタジーでした。実は女性よりも男性が見た方が楽しめる映画かもしれません。かなり狭き門だけれども。俺?楽しかったですよ。(★★★)
 


 余談。
 個人的に笑ったのは、ジャックのエージェント役を演じるジェイソン・シュワルツマンの演技が、『ザ・エージェント』のトム・クルーズ(ニコールの元旦那)のコピーなこと。時折見せるつくり笑いがクリソツで、思わずニヤニヤしちゃったよ。

*1:日本版イメージソングを歌うのが松田聖子ってのは出来すぎだろ、おい。