無間の闇で、光を求める。

　「インファナル・アフェア/終極無間」を見た。

　うーん、こりゃあ、「I」見てないと何のことやら、って映画だねえ。ビルの屋上で二人が対峙した「I」のクライマックスを境として、向かい合う二つの人生。１０ヶ月後のラウ、半年前のヤン。二人の生き様が並列して描かれる構成。
　分かりにくいし、一部設定が混乱してる（ヤンの相棒キョンの設定とか、ラウの恋人マリーの設定とか）んだけど、いや、でも俺は好き。この映画。前作で、「I」で鏡像となっていた二人のうち一人が消え、その鏡像の片割れを求めて、精神の無間地獄を彷徨するラウ。半身が欠損した自分を補完するために。その姿は首を求めて暴走するシシ神さま（＠もののけ姫）のよう。だが、それを達成してしまったとき、彼の精神は破滅の道を行く。

　ハッピーエンドにはなり得ない話だし、実際ハッピーエンドではないんだけど、なんか一瞬救われた感じがあるのは、ヤンがラウの中にそっと生きているような気がするから、かもしれない。（★★★/続編として★★★★）