虚馬ダイアリー

「窓の外」のブログ

「俺たちフィギュアスケーター」

toshi202007-12-29

原題:Blades of Glory
監督:ウィル・スペック/ジョシュ・ゴードン




 年末も押し迫っている時期に。

 それでも年内に見ておきたいなー、と思って渋谷にまで足を運んでみたのである。*1


 久しぶりに「はしご」というものをやっていて、「ユゴ/大統領有故」のなんとも言えない後味を胸に六本木から渋谷へ移動して4時台の回にぎりぎりでシネマGAGAかけこんで、時間的には全然セーフ。これは余裕で座れんな、などと思いながらチケットを買おうと売り場へ向かう。
 いやまーね。映画サイト界隈では非常にホットな映画ではあったし、シネマGAGAの動員記録!などということも聞いてはいましたよ。だけど。ウィル・フェレル後進国日本で、「若者の街・渋谷」で彼の最新主演コメディですよ。ええまあ。まさか。まさかねえ。奥さん。


 「そのお時間の回は満席です」


 ?
 この言葉を理解するのに、5秒くらいかかった。(へ?まんせき?なにそれ?ああ、お客さんがいっぱいって意味ね、へー)と、ボクのチョー高性能な頭脳がようやくその情報を処理して、やっとでた言葉が 


 「満席?入れないってこと?」。


 聞き返しましたよ。ええ。こんな間抜けな質問を。
 (「満席で入れない」。ほんとに?うっそだよ。ウィル・フェレルのあのツラ拝むためにお客さんがいっぱい詰め掛ける?そんなことあーるーわーけーねー!)という言葉が脳内をかけめぐりながら


 「・・・えーと。立ち見は?だめ?あそ。じゃあ。その次の回で。席?えとじゃ、その列の・・・その席で。はい。はい。」とまあ、半分呆けた顔のままチケット買って、次の回まで待たされることと相成ったわけです。


 ・・・まさかねー。「間抜けづらで今頃のこのこ現れやがって、満席だから味噌汁で顔洗っておとといきやがれでくのぼう!」という扱いを受けたこと自体が久々だった上に、それがマニアックな映画でもメジャー公開映画でもなく、単館上映のウィル・フェレル主演コメディ映画であること。まさかこんなことがあるとはねー。コメディ映画の夜明けじゃなかろうか。黒船到来じゃー!・・・そういやウィル・フェレル、ぺるりに似ているかもだ?


 ・・・というわけで、映画の内容以上に、その出来事の方があまりに鮮烈だったりするのだけれど、映画自体も面白かったですよ。お客さんのレスポンスが非常にいいので、劇場の一体感が大変心地よくて、もう大変すばらしい映画体験でした。やっぱ、満席の劇場で見るバカに徹したコメディ映画は、いいもんですねー。
 映画の出来はというと、まあ、ライバルがわかりやすいほどダーティだったり、ヒロインの行動がめちゃくちゃだったり*2と、はたきこみのような強引さはあるものの、「スキージャンプ・ペア*3のように実際には「ありえない技」を特撮と実際のすべりの融合もかろやかに放つ、主人公2人のクライマックスの滑りに周りの客も俺も思わず拍手してしまう、多幸感。
 娯楽映画かくあるべし、の体験を与えてくれたこの映画に、わたくし大変感謝しております。てなわけで、満員の劇場で見る、という条件付で、さらに★半分どーん。(★★★★☆)

*1:これ書いてる時すでに年明け10日以上過ぎてるのはなぜか。パソコンがぶっ壊れて書く機会逸してたからです、すいません。

*2:あそこまで誘惑しておいて何もなかったと言い張るのはいくら何でも・・・ねえ?

*3:この映画の元ネタはこれだと思う