虚馬ダイアリー

「窓の外」のブログ

「ラッキーナンバー7」

toshi202007-01-18

原題:LUCKY NUMBER SLEVIN
監督:ポール・マクギガン


 豪華スター饗宴で、ラストにドンデンカエシが!


 ・・・なーんでいう、派手な惹句でなんとなくトリッキーな映画だと思っていたら、それは語り口だけで、けっこう真っ当な復讐の話だったな、と思う。あと、ルーシー・リューが久々に「可愛いヒロイン」を演じているのも見所。もしかして、こんな真っ当な役、「チャリエン」以来?


 では、さっそく。以下、ネタバレ気味のあらすじ。


 主人公の復讐の理由が、今の資本主義の谷間にすっぽりとはさまって突き落とされた両親で、八百長レースで借金して、破滅した。今の世の中では、もしかしたら、自業自得で片付けかねられない話かもしれない。金貸しとヤクザは、社会の中のゆがみの中で、その糧を得るものたちなのであるから、彼らは本業の中でそれを全うしたにすぎない。
 だが、子供はいつまでも覚えている。時間は常に若い者に味方する。子供の復讐心は、自分たちのクビを締めかねない。だから、彼らもきっちり始末をつけるつもりだった。だが、殺し屋が少年に萌え萌えになって殺さずにおいたからさァ大変。両親の死から20年後、殺害のきっかけとなった八百長レースの馬の名前をひっさげて、彼は関係者への復讐に乗り出すのであったちょんちょん。


 などと書いている時点でネタバレなのかな?というわけで、あらすじを隠してますが。言ってみればこの映画の語り口は、どちらかというと、主人公の罠にハマッていく側の目線で物語が進行している感があり、それがこの映画のストーリーテリングの魅力なので、一本線として説明すると、どうしてもこんなんになってしまうわけですが、だからこそのこの映画なりのオリジナリティになっているところが、面白いところかな、と思う。豪華スターのアンサンブルを楽しみつつ、肩の凝りすぎない復讐話を堪能できる佳作だと思う。(★★★)