虚馬メモ RETURNS
<近況>
・いよいよシネマヴェーラ渋谷で東宝版「次郎長三国志」第一部、第二部(監督:マキノ雅弘、1952年製作)を見てしまった。回数券も買ってしまった。引き返せないかもしれない。ラブホ街(の映画館)通い。
感想書こうと思ったのだが、マキノ節と呼ばれる語り口がこれほど気持ちいいものとは思わず、酩酊気味。なんつーの、落語で名人芸さえ聞けたならネタがなんだろうが面白い、という感じ。フィルムが痛んでて、その名調子がふっと途切れる瞬間現実に返っちゃうのがなんなのだが、物語至上主義者を標榜する俺をして、「ストーリーなんてぶっちゃけどーでもいーいー」と自分否定しちゃうような気分にさせるわけですよ。いかにマキノ監督の演出テクニックが観客をイカせるかって話ですよ。それでもあらすじ書くと。
<第一部>
次郎長さんがやくざの親分になったよ。
<第2部>
次郎長さんたち旅にでたら、裸にむかれたよ。*1
こんな感じ<ひどい。いや、おれがどうこう言うより現物見ろ ということ。見ればわかるってことですよ。
会話ひとつとっても、「流れ」があるんだよな。立て板に水、ってのはこういうことを言うのだなと。というわけで、シネマヴェーラ渋谷で僕と握手。なしよ。デジタルリマスターDVD化超希望。
*1:厳密に言うとちょっと違うんだが、こっちの方が面白いので