虚馬ダイアリー

「窓の外」のブログ

「ファンタスティック・フォー」

toshi202005-09-22

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 昔天才、今それなりに優秀な科学者リード(ヨアン・グリフィス)と彼のパートナーで護衛を自認するベン(マイケル・チクリス)が、宇宙にあっさり行けてしまうほどの財力を持つ元・友人ビクター(ジュリアン・マクマホン)に進化の元となる宇宙嵐を見たいから、資金を出せ、と金の無心にきて、ビクターは過去の彼の才能に信を置いて、その話に乗る。宇宙に行く人間は全部で5名。彼らの人間関係は非常にシンプルで、元友人であるリード、スー(ジェシカ・アルバ)、ビクター(以上の三人が三角関係)ベンの4人+スーの弟ジョニー(クリス・エヴァンス)、という身内集団で構成されてる。
 (ものすごくあっさり)宇宙にやってきた彼らは、そこで想定範囲外に早く宇宙嵐に遭遇してしまい、宇宙嵐の宇宙線を浴びてしまった。地球に戻った彼らは、遺伝子レベルから変化してしまい、それぞれ特殊な体になってしまったのでした。


 なんつーか、久々にこんな大味な映画見たなー、という感じで、非常にざっくりしたアメコミ映画です。原作がどういう内容か知らないのですが、繊細さが全然ない。基本的なストーリー展開が、身内との諍いという、まっことしょうもない内容なんですが、更に彼らが「素敵四人衆」と呼ばれるきっかけとなる、橋の上の騒動は、結局彼ら自身が勝手に起こした騒動を、勝手に収めたら有名人になっちゃった、的な違和感があるんですが。いいのか?とか思ったし。
 彼らのライバルとなっていくビクター=Dr.ドゥームは、宇宙での実験失敗で株価が大暴落して、破産のピンチに右往左往する、という普通に気の毒な展開。しかも実験に失敗した当人であるリード=Mr.ファンタスティックは、悪気を見せるでもなく他の三人と暮らしてたりするし、なんかヒーロー気取りでテレビに映るし、アルバ博士とよりを戻しかけたりしてるしで、もう彼の心はどしゃ降りである。つーか、リードはもうちょいちゃんとビクターを心配しろよ、と。もう色々追いつめられちゃったビクターもまた能力を手に入れており、全ての元凶であるMr.ファンタスティックに怨みを抱き、彼らに仲違いをしかけたりする邪悪な存在へと変わっていく。ほろり。小せえ(そっちか)。


 しかしまあ、一番気の毒なのはベン=ザ・シングだとは思うが。やっぱり不便だと思うよ、あの体。岩石みたいな顔になってしまい、周りの人間はおびえて逃げ回るし、妻にも逃げられるし、電話もろくにかけられないし、 力の加減が難しすぎるし、エレベーターにまで乗車拒否されるしで、生活一般に支障を来しまくってるのは辛い。イライラするのもよく分かる。*1


 まあなんつーか、おおざっぱに言ってしまえばMr.ファンタスティックが自分で起こした火種で燃え広がった火事を自分で消すみたいな話なんですが、そんな騒動とは関係なく人生楽しみまくりのボンクラ弟・ジョニー*2=ヒューマン・トーチとか、胸出したり、(消える能力発動時に)脱いだり*3してるのに、一向になびかないMr.ファンタスティックの鉄壁な喪男シールドにやきもきする悶々フェロモン姉・スー=インビジブル・ウーマン(ジェシカ・アルバ)などによる分かりやすいサービスたっぷり(脱ぎ方面)。
 結論。ジェシカ・アルバまいっちんぐなシーンは必見(結局それか)。


 良くも悪くも、アメリカらしいアメコミ映画。変に屈折してない陽性な映画なので、娯楽映画としては充分元をとれるとは思います。(★★★)

*1:でもラストは、盲目で美人の彼女が出来たからオールオッケー、HAHAHAー!とひとり納得していて、「いいのかそれで!?」と同情も吹き飛ぶわけですが。

*2:まあ、クリス・エヴァンスだし。

*3:光を屈折して自らの姿を消せるなら、服も一緒に消せるんでは?という突っ込みはしないように。するな。