虚馬ダイアリー

「窓の外」のブログ

 いや、これだけは書いておこう。

 2日、3日にフジテレビで放送された「積木くずし 真相」はいいドラマだった。
 原作者の雰囲気を彷彿とさせる舘ひろしや、十代から三十代まで波乱の人生を演じきった安達祐実もさることながら、特筆すべきは妻役の杉田かおるがね。凄すぎ。感情の爆発が少ない、抑えた演技が要求される難しい役を、かなり高いレベルで演じきった。
 特に後篇で、娘が病気で倒れて、病院で娘の独白を黙って優しく見つめながら聞いてる、ってだけのシーンなのに、演技で安達を凌駕してしまう。このシーンは安達の演技との相乗効果で鳥肌もんでしたよ。私生活が荒れていると芸に磨きが掛かる辺り、業の深い人だなあ、と思うけれど。


 終盤の藤木と舘のシーンは蛇足に感じてしまい、やや興ざめの感はあるんだが、原作者の駄目さをここまで赤裸々に出していいんだろうか、とこっちが思うくらいきっちり描いていて、ネガティブなところにも遠慮無く踏み込んで描いている辺りに、作り手の本気度を見ました。