虚馬ダイアリー

「窓の外」のブログ

ケビン・スペイシーの「ひとりのビッグショー」

toshi202005-03-02



 「ビヨンド the シー 〜夢見るように歌えば〜」を見てきた。


 50年代、60年代にアメリカで活躍したボビー・ダーリンを、ケビン・スペイシーが演じる伝記映画…らしいのだけど、考えてみたら俺、ボビー・ダーリン知らないのであった。


 というわけで、やたら歌と踊りの特訓をしたと思われるケビン・スペイシーが20曲も延々と歌い、踊り、物まねをするという、俺様系ワンマンリサイタル映画でした。なんか金のかかったグッチ裕三ディナーショウみたいな感じ。、「俺様(ケビン)が考えるボビー・ダーリンの人生」についてのドキュメンタリー映画をボビー・ダーリンが撮ったメタ・フィクション形式の作品…をケビン・スペイシーが撮ったのだった(ややこしい)。
 だけどあまりにケビン・スペイシーの自意識が「ボビー・ダーリン」になってしまっているので、ボビーへの愛情よりケビンの自己愛の方がスクリーンに横溢する、という皮肉な結果に。


 だって、全編ケビン出ずっぱり。おそらく全コマで8割方には映ってるんじゃねーの?製作・脚本・監督・主演で自分が出ずっぱりの映画撮るかフツー。ケビン・スペイシーの意外なナルシストぶりに、微笑ましいと思うか、愕然とするかはあなた次第。おれは、なんか微笑ましくって、この歳で若気の至りのような真似が出来るケビンを羨ましく思ったりなんかして。ケビンにとっては夢のような仕事だったろう。本当、楽しそうに唄うなあこの親父ってば。


 というわけで、ケビン・スペイシーの意外な一面を見たい彼のファン、または見栄っ張りハゲ親父好きは必見の映画でした。